秋田県雄物川流域におけるアカツツガムシ生息調査 (2011年~2014年)

「緒言」つつが虫病はダニの一種であるツツガムシの幼虫が媒介する, 病原体Orientia tsutsugamushi (Hayashi) 感染によって起こる疾患で, 急速に重症化し播種性血管内凝固症候群 (DIC), 脳髄膜炎等の併発により死に至る場合があるため, 早期診断, 早期適正治療の開始が極めて重要である. 近年, 日本国内におけるつつが虫病患者の発生報告は年間400例以上であるが, その発生時期はベクターの種類やその幼虫活動期により地域特性がある (国立感染症研究所, 2010). そのため, 各地域にどのようなツツガムシ種が生息しているかを把握することが早期診断のポイントとなる....

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Published inMedical Entomology and Zoology Vol. 67; no. 3; pp. 167 - 175
Main Authors 佐藤寛子, 柴田ちひろ, 秋野和華子, 斎藤博之, 齊藤志保子, 門馬直太, 東海林彰, 高橋守, 藤田博己, 角坂照貴, 高田伸弘, 川端寛樹, 安藤秀二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本衛生動物学会 25.09.2016
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Summary:「緒言」つつが虫病はダニの一種であるツツガムシの幼虫が媒介する, 病原体Orientia tsutsugamushi (Hayashi) 感染によって起こる疾患で, 急速に重症化し播種性血管内凝固症候群 (DIC), 脳髄膜炎等の併発により死に至る場合があるため, 早期診断, 早期適正治療の開始が極めて重要である. 近年, 日本国内におけるつつが虫病患者の発生報告は年間400例以上であるが, その発生時期はベクターの種類やその幼虫活動期により地域特性がある (国立感染症研究所, 2010). そのため, 各地域にどのようなツツガムシ種が生息しているかを把握することが早期診断のポイントとなる. 我が国においてつつが虫病は北海道を除く全ての都府県で発生しているが, 主な媒介種はフトゲツツガムシLeptotrombidium pallidum (Nagayo et al.) (秋~初冬, 春), タテツツガムシL. intermedium (Nagayo et al.) (秋~初冬) などとされており, これらによるつつが虫病は新型つつが虫病と呼ばれる.
ISSN:0424-7086