睡眠時呼吸障害の診断と周術期管理

「1. 睡眠時呼吸障害の診断」原因の診断と, 手術適応の有無の診断がある. 小児の睡眠時無呼吸のほとんどはアデノイド・口蓋扁桃肥大が原因であり, アデノイド切除術, 口蓋扁桃摘出術の適応を検討する. 「1) 問診, 視診」保護者から夜間の睡眠状態だけではなく, 寝起きの悪さや日中の口呼吸などを聞き出す. 小児では無呼吸は起きにくいこと, 日中の傾眠傾向がみられにくいこと等, 成人とは症状が多少異なる. OSA-18質問紙を用いると点数化され, 重症度を推測できる. 口蓋扁桃の大きさだけではなく, 鼻所見, 口呼吸の有無や下顎呼吸状態を確認する. 重症な例では, 胸郭の変形や体重増加不良もみられ...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 120; no. 5; pp. 763 - 765
Main Author 仲野敦子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本耳鼻咽喉科学会 20.05.2017
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ISSN0030-6622

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Summary:「1. 睡眠時呼吸障害の診断」原因の診断と, 手術適応の有無の診断がある. 小児の睡眠時無呼吸のほとんどはアデノイド・口蓋扁桃肥大が原因であり, アデノイド切除術, 口蓋扁桃摘出術の適応を検討する. 「1) 問診, 視診」保護者から夜間の睡眠状態だけではなく, 寝起きの悪さや日中の口呼吸などを聞き出す. 小児では無呼吸は起きにくいこと, 日中の傾眠傾向がみられにくいこと等, 成人とは症状が多少異なる. OSA-18質問紙を用いると点数化され, 重症度を推測できる. 口蓋扁桃の大きさだけではなく, 鼻所見, 口呼吸の有無や下顎呼吸状態を確認する. 重症な例では, 胸郭の変形や体重増加不良もみられる. 逆に肥満を合併している例もある. 「2) レントゲン検査」単純X線上咽頭側面像でアデノイド, 口蓋扁桃の大きさを確認する. 「3) 睡眠検査」PSG, 簡易モニターによる検査などが施行される. 小児の無呼吸の診断基準は成人とは異なる点に注意する.
ISSN:0030-6622