Honda歩行アシスト(R)を用いた歩行練習により歩行能力の改善を認めた頸髄損傷による不全四肢麻痺の一例
要旨: 症例は外傷性頸髄損傷により不全四肢麻痺を呈した48歳男性. ピックアップウォーカーを用いて歩行可能であったが, 歩隔が狭く, リズムが乱れた歩行で, 遊脚期に対側の下肢に接触をする場面が散見された. このため, 歩容改善による歩行能力の向上を目的としてHonda歩行アシストを使用した歩行練習を実施した. 週5回, 計10回の介入を行った結果, 歩行速度, 歩行率, Spinal Cord Injury Functional Ambulation Inventory, Walking Index for Spinal Cord Injury IIの改善を認めた. ビデオ解析の結果, 介入...
Saved in:
Published in | 運動障害 Vol. 28; no. 1; pp. 35 - 42 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本運動障害研究会
15.07.2018
|
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 要旨: 症例は外傷性頸髄損傷により不全四肢麻痺を呈した48歳男性. ピックアップウォーカーを用いて歩行可能であったが, 歩隔が狭く, リズムが乱れた歩行で, 遊脚期に対側の下肢に接触をする場面が散見された. このため, 歩容改善による歩行能力の向上を目的としてHonda歩行アシストを使用した歩行練習を実施した. 週5回, 計10回の介入を行った結果, 歩行速度, 歩行率, Spinal Cord Injury Functional Ambulation Inventory, Walking Index for Spinal Cord Injury IIの改善を認めた. ビデオ解析の結果, 介入後の立脚期股関節伸展角度, 遊脚期膝関節屈曲角度の増加を認め, 振り子運動を利用した効率的な歩行を獲得していることが確認された. Honda歩行アシストを用いた歩行練習は, 頸髄損傷不全四肢麻痺者の歩行能力の改善に有効である可能性が示唆された. |
---|---|
ISSN: | 0917-5601 |