集中治療領域における早期経腸栄養プロトコール導入後の効果について

【要旨】当院では平成25年より平日の30分程度, 総合診療科 (現救急集中治療部) へ入院した患者に対し, 医師・看護師・コメディカルによる多職種チーム回診を実施し, 栄養・薬剤・リハビリテーション面で, 迅速な調整を行っている. 今回, 栄養面において多職種協働での栄養管理を目指し, これまでの栄養管理状況を基に早期経腸栄養プロトコール (以下プロトコール) を作成し平成27年3月より導入した. 人工呼吸管理を要した患者を対象としたプロトコール導入後の調査では, 入室後平均16.4時間で経腸栄養が開始され, 平成25年に開始した多職種回診後と比較すると約4時間短縮された. また, 急性期では...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in仁愛会医報 Vol. 17; pp. 10 - 12
Main Authors 仲間清美, 城間安李, 那須道高
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 仁愛会 01.01.2016
Online AccessGet full text
ISSN2185-5366

Cover

More Information
Summary:【要旨】当院では平成25年より平日の30分程度, 総合診療科 (現救急集中治療部) へ入院した患者に対し, 医師・看護師・コメディカルによる多職種チーム回診を実施し, 栄養・薬剤・リハビリテーション面で, 迅速な調整を行っている. 今回, 栄養面において多職種協働での栄養管理を目指し, これまでの栄養管理状況を基に早期経腸栄養プロトコール (以下プロトコール) を作成し平成27年3月より導入した. 人工呼吸管理を要した患者を対象としたプロトコール導入後の調査では, 入室後平均16.4時間で経腸栄養が開始され, 平成25年に開始した多職種回診後と比較すると約4時間短縮された. また, 急性期では侵襲や薬剤の影響で消化管の機能が低下することがあるが消化吸収面での問題発生率は8% (3例) と低く, 下痢や嘔吐などの問題点に多職種で対策を実施し食止めとなった症例は1例のみだった. 栄養投与充足率は経腸栄養開始後約1週間で目標量の充足率90%以上まで到達しており, 過栄養による合併症を併発しないよう理想的な栄養投与ができていた.
ISSN:2185-5366