1. ホルムアルデヒドへのアレルギーを素因としたシックハウス症候群の1例

ホルムアルデヒド(FA)に対するアレルギーを素因とし発症したと思われるシックハウス症候群を経験したので報告する. 症例は35歳女性. 新築マンションに入居後, 10ヶ月の間で1-2回, 2-3時間で消失する足・頚部を中心とした膨疹を生じた. その後膨疹の頻度は増加, また口唇の腫脹, 呼吸器症状もあった. 某病院皮膚科を受診した際, 採血にてFAに対するIgE抗体が上昇しており紹介となった. 当院来院時膨疹は認めなかったが, 膨疹はマンションに入居後自宅にて見られること, FA IgEが上昇していること, 自宅の空気質調査の結果, FAに対するパッチテストが陽性であることから家屋由来のFAに対...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 50; no. 1; p. 25
Main Authors 小川真規, 西中川秀太, 横沢册子, 後藤浩之, 圓藤陽子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.01.2008
公益社団法人日本産業衛生学会
Japan Society for Occupational Health
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ISSN1341-0725

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Summary:ホルムアルデヒド(FA)に対するアレルギーを素因とし発症したと思われるシックハウス症候群を経験したので報告する. 症例は35歳女性. 新築マンションに入居後, 10ヶ月の間で1-2回, 2-3時間で消失する足・頚部を中心とした膨疹を生じた. その後膨疹の頻度は増加, また口唇の腫脹, 呼吸器症状もあった. 某病院皮膚科を受診した際, 採血にてFAに対するIgE抗体が上昇しており紹介となった. 当院来院時膨疹は認めなかったが, 膨疹はマンションに入居後自宅にて見られること, FA IgEが上昇していること, 自宅の空気質調査の結果, FAに対するパッチテストが陽性であることから家屋由来のFAに対するアレルギー反応をもとにしたシックハウス症候群であると診断した. インフォームドコンセントの後, ブース検査を施行したが負荷中, 負荷後も皮膚症状は認めなかった. 本症例の蕁麻疹は, FAに対するアレルギーを素因とし生じたものと考えた.
ISSN:1341-0725