てんかんの手術を受ける患児に対するプレパレーション内容の検討 - 看護師が無意識下で行う説明の重みづけと定量化

「要旨」【目的】てんかんの手術を受ける児に対するプレパレーションの実施における, 看護師の考える内容の重みづけ, および可視化を目的とした. 【方法】小児科勤務の看護師10名を対象とし, 半構造的面接で術前プレパレーションの内容の重要さ, 困難さ等を語ってもらった. 抽出された項目ごとに「心理量測定ツールRami」を用いて, 重要さは面積, 困難さは高さとして円を描写した. 面接により得られたデータは, 意味内容の同質性等に注目して分類しカテゴリー名を命名した. 対象者が描写した円の項目は, カテゴリーに対応させてクラスター分類し, 数値化した. それらを単純集計し, 項目間でFriedman...

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Published in新潟医療福祉学会誌 Vol. 16; no. 2; pp. 21 - 29
Main Authors 坪川麻樹子, 住吉智子, 岡崎章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 新潟医療福祉学会 14.03.2016
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ISSN1346-8774

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Summary:「要旨」【目的】てんかんの手術を受ける児に対するプレパレーションの実施における, 看護師の考える内容の重みづけ, および可視化を目的とした. 【方法】小児科勤務の看護師10名を対象とし, 半構造的面接で術前プレパレーションの内容の重要さ, 困難さ等を語ってもらった. 抽出された項目ごとに「心理量測定ツールRami」を用いて, 重要さは面積, 困難さは高さとして円を描写した. 面接により得られたデータは, 意味内容の同質性等に注目して分類しカテゴリー名を命名した. 対象者が描写した円の項目は, カテゴリーに対応させてクラスター分類し, 数値化した. それらを単純集計し, 項目間でFriedman検定を実施した. 【結果】面接内容はカテゴリーが8抽出された. また重要さ・困難さでは6クラスターが抽出された. 重要さは上位から《手術の目的》《疼痛》《手術への励まし》《術後の制約》《術後のボディイメージの変化》《術後の身体不調》と続き, 困難さは, 上位から《手術の目的》《ボディイメージの変化》《手術への励まし》《疼痛》《術後の身体不調》《術後の制約》と続いた. Friedman検定では困難さで有意差があった. 【考察】看護師は児に相応しい方法と内容で実施しようと試みていても, 児の理解度が判断しづらい状況が推測された. プレパレーションを受ける児によって項目を選択でき, 児の不安や恐怖をあおらず, 医学的内容を分かりやすく伝える教育的方略の教材が必要であることが示唆された.
ISSN:1346-8774