60年の結核研究歴を振り返って - 回顧と将来への展望

「1. 結核との出会い」私が大学を卒業したのは1948年9月でございまして, 1年間のインターンの後, 49年11月に結核予防会に入り, それ以降ずっと予防会との縁が切れておりませんので, 60年少し結核と取り組んできたことになります. 仕事は主に疫学・管理を中心に結核の問題に取り組んでまいりました. その中でも三つの大きな領域があると思うのですが, 一つは結核死亡率を, 過去のデータを解析して, どのような要因がその消長に関与したかということの分析. 二番目は, 日本が世界に誇る業績の一つとして, 結核実態調査を1953年以来, 5年間隔で5回行っております. この成績の分析は本来厚生省 (...

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Published in結核 Vol. 87; no. 10; pp. 669 - 679
Main Author 島尾忠男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本結核病学会 15.10.2012
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Summary:「1. 結核との出会い」私が大学を卒業したのは1948年9月でございまして, 1年間のインターンの後, 49年11月に結核予防会に入り, それ以降ずっと予防会との縁が切れておりませんので, 60年少し結核と取り組んできたことになります. 仕事は主に疫学・管理を中心に結核の問題に取り組んでまいりました. その中でも三つの大きな領域があると思うのですが, 一つは結核死亡率を, 過去のデータを解析して, どのような要因がその消長に関与したかということの分析. 二番目は, 日本が世界に誇る業績の一つとして, 結核実態調査を1953年以来, 5年間隔で5回行っております. この成績の分析は本来厚生省 (現・厚生労働省) の仕事でございますが, 結核研究所にいたという立場からそのお手伝いをさせていただきました. また, もう一つは結核患者を登録し, それから得られるデータ, これも結核の非常に重要な疫学的データになるのですが, それの仕組みをつくり解析をするという仕事にも参画させていただきました.
ISSN:0022-9776