火を使わない灸の臨床的効果 - 慢性疼痛治療への可能性
「抄録:」【目的】鍼灸は, 古い歴史のある鎮痛方法である. 一口に鍼灸と言うことが多いが一般的には鍼が瀉法であるのに対し, 灸は補法であり, その適応は異なる. また, 鍼は比較的よく用いられるが, 灸はそれほど多く用いられてはいない. それは, 火を用いることによる火傷の心配があるという点が一因といえる. 今回, 温度が50℃までしか上がらず, 火傷という危険性が少ない灸(「ほっとQ(TM)」)を開発し, その効果について検討した. 【方法】鍼灸医学研究会会員の所属する診療所, 鍼灸院における愁訴(主に疼痛)を有した患者を対象とした. n=14. 1週間に3回の施灸を4週間(全12回)試行し...
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Published in | Comprehensive Medicine 全人的医療 Vol. 19; no. 1; pp. 3 - 10 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本実存療法学会
25.03.2020
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Summary: | 「抄録:」【目的】鍼灸は, 古い歴史のある鎮痛方法である. 一口に鍼灸と言うことが多いが一般的には鍼が瀉法であるのに対し, 灸は補法であり, その適応は異なる. また, 鍼は比較的よく用いられるが, 灸はそれほど多く用いられてはいない. それは, 火を用いることによる火傷の心配があるという点が一因といえる. 今回, 温度が50℃までしか上がらず, 火傷という危険性が少ない灸(「ほっとQ(TM)」)を開発し, その効果について検討した. 【方法】鍼灸医学研究会会員の所属する診療所, 鍼灸院における愁訴(主に疼痛)を有した患者を対象とした. n=14. 1週間に3回の施灸を4週間(全12回)試行し, その前後でお血スコア(寺澤), 血液検査, 血行動態, 疼痛VASを検討した. 【結果】前後で比較し, お血スコア, 疼痛VASが改善し, 臥位の拡張期血圧が有意に低下した. 悪化項目はなかった. 火傷例もなかった. 【考察】火傷はなく, 血液検査からも安全であると考えられた. お血スコアの改善, 疼痛VASの軽減, 臥位拡張期血圧の改善が観られた. 灸には, 鎮痛作用, 弛緩効果(リラクセーション効果). 駆お血作用があると考えられ, 鎮痛医療に有効な方法と考えられた. 自宅でできる ,一人でもできることから, 疼痛に対してセルフコントロールの方法になりうると考えられた. |
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ISSN: | 1341-7150 |