化学物質による環境問題の変遷~環境化学討論会における発表演題から見た考察

「1. はじめに」現代の化学工業により生産される化学物質の種類および量は, 主に石油化学工業を中心として飛躍的に増大し続けており, それらは家電製品や衣料そして自動車などに加工され, 我々の生活になくてはならないものとなっている. このように今日, 我々は, 高度に発達した化学工業により製造される多くの化学物質の恩恵に浴しているが, しかしその一方では, 化学物質が我々の健康に有害な影響を及ぼすのではないかといった懸念もされている. 筆者が, 現在, 所属しているいくつかの学術団体の中の1つに日本環境化学会がある. 日本環境化学会は, 環境をテーマに扱う学会として国内において最大規模の団体の1...

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Published in生活衛生 Vol. 53; no. 3; pp. 184 - 188
Main Author 東條俊樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 大阪生活衛生協会 2009
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Summary:「1. はじめに」現代の化学工業により生産される化学物質の種類および量は, 主に石油化学工業を中心として飛躍的に増大し続けており, それらは家電製品や衣料そして自動車などに加工され, 我々の生活になくてはならないものとなっている. このように今日, 我々は, 高度に発達した化学工業により製造される多くの化学物質の恩恵に浴しているが, しかしその一方では, 化学物質が我々の健康に有害な影響を及ぼすのではないかといった懸念もされている. 筆者が, 現在, 所属しているいくつかの学術団体の中の1つに日本環境化学会がある. 日本環境化学会は, 環境をテーマに扱う学会として国内において最大規模の団体の1つであり, 特に, その名前の通り, 環境と化学(化学物質)に関わる学問分野に焦点を当てて, 化学物質による環境汚染の防止および環境保全に寄与するための活動を行っている. そして, その活動の1つとして年に1度, 「環境化学討論会」という研究発表会を開催している.
ISSN:0582-4176