第3次応需の救命救急センターにおける医学的リハビリテーション

医学的リハビリテーション(以下, リハと略す)の面からみた第3次応需救命救急センター(以下, センターと略す)の特徴は, 全身状態が重症で変動し, Deconditioningに陥りやすく, 急性期で重複障害のためImpairmentとDisabilityに関する予後予測が困難であることなどである. また, 救急医療と専門医療の包括的チーム医療であり, 全身状態が安定化してICUからHCUへ移行した後2週間で速やかに転院(退院)することである. 本学センター(40床)の1年間の入院患者は約1,200名(外傷38%, 疾病62%)である. 転帰は, 自宅退院41%, 転院32%(本学附属病院転院...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 34; no. 4; pp. 262 - 265
Main Author 佐鹿博信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 01.04.1997
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ISSN0034-351X

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Summary:医学的リハビリテーション(以下, リハと略す)の面からみた第3次応需救命救急センター(以下, センターと略す)の特徴は, 全身状態が重症で変動し, Deconditioningに陥りやすく, 急性期で重複障害のためImpairmentとDisabilityに関する予後予測が困難であることなどである. また, 救急医療と専門医療の包括的チーム医療であり, 全身状態が安定化してICUからHCUへ移行した後2週間で速やかに転院(退院)することである. 本学センター(40床)の1年間の入院患者は約1,200名(外傷38%, 疾病62%)である. 転帰は, 自宅退院41%, 転院32%(本学附属病院転院8%, 他院24%), 死亡退院28%である. 救命救急センターの包括的チーム医療 センターの包括的チーム医療の中での専門診療科としてのリハ医の役割は, 主に, 救命医療プログラムにリハプログラムを調和させながら, 早期離床をすすめ, 機能障害を評価して障害の予後を推定し, リハニーズに応じて適切な医療機関(リハ部門を有する)へ引き継ぐことであった. リスク管理をセンター主治医に全面的にまかせ, PTとOTが医療情報を収集し理解してリハプログラムを確実に実施し, センター主治医からの指示を適切に受け取るように, リハ医は調整機能を果たした.
ISSN:0034-351X