ハンドヘルドダイナモメーターによる等尺性股屈曲, 伸展筋力の測定‐固定用ベルトの使用が再現性に与える影響

本研究の目的は, 固定用ベルトを装着したハンドヘルドダイナモメーターによる股関節屈曲および伸展筋力測定方法の検者間再現性について検討することである. 対象は健常者20名の両下肢40脚である. 考案した固定用ベルトの効果を検討するために, ハンドヘルドダイナモメーターによる等尺性筋力測定を固定用ベルト使用下および不使用下で実施した. また, 検者間の再現性を検討するために, 検者は男女各1名にて行った. 股屈曲筋力平均値は, ベルト使用下において男性検者, 女性検者の順に, 25.0kgf, 25.8kgf, ベルト不使用下において同順に, 19.8kgf, 17.3kgfであった. 股伸展筋力...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in高知リハビリテーション学院紀要 Vol. 6; pp. 7 - 13
Main Authors 加藤宗規, 山崎裕司, 中島活弥, 加地啓介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 高知リハビリテーション学院 2004
Online AccessGet full text
ISSN1345-5648

Cover

More Information
Summary:本研究の目的は, 固定用ベルトを装着したハンドヘルドダイナモメーターによる股関節屈曲および伸展筋力測定方法の検者間再現性について検討することである. 対象は健常者20名の両下肢40脚である. 考案した固定用ベルトの効果を検討するために, ハンドヘルドダイナモメーターによる等尺性筋力測定を固定用ベルト使用下および不使用下で実施した. また, 検者間の再現性を検討するために, 検者は男女各1名にて行った. 股屈曲筋力平均値は, ベルト使用下において男性検者, 女性検者の順に, 25.0kgf, 25.8kgf, ベルト不使用下において同順に, 19.8kgf, 17.3kgfであった. 股伸展筋力平均値は, ベルト使用下において男性検者, 女性検者の順に, 30.8kgf, 31.0kgf, ベルト不使用下において, 27.0kgf, 23.6kgfであった. 検者間の比較では, ベルト不使用下において, 有意に男性検者の測定値が高値を示した(p<0.01). 一方, ベルト使用下では男女間で有意差を認めなかった. 検者間の級内相関係数は, 股屈曲では, ベルト使用下0.98, ベルト不使用下0.78, 股伸展では, ベルト使用下0.97, ベルト不使用下0.80で, ベルト使用下において高値を示した. 以上のことから, 固定用ベルトの併用により再現性の高い測定が可能になるものと考えられた.
ISSN:1345-5648