リハビリテーションセンターとしての在宅医療へのかかわり

近年地方自治体の県の財政状態は悪化し, 当センターでも病床利用率を上げ, 平均在院日数を短くし, コスト重視が命題となっている. その結果として, 入院までの待機期間が短縮されたが, 脳卒中患者では入院時に軽度の意識障害が残存していて訓練が進まず入院期間が足りなくなったり, 回復に時間のかかる脳挫傷患者では, 一カ所のリハビリテーション(以下, リハ)病院での治療期間では足りず, 複数のリハ病院での加療も必要となってきている. また, 急性期病院の入院期間も短くなっているため, 入院待機期間の長くなる重症の患者が当センターにあまり来なくなっている. 結果的に当センターの脳卒中患者については,...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 38; no. 1; pp. 26 - 28
Main Author 辻内和人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 2001
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Summary:近年地方自治体の県の財政状態は悪化し, 当センターでも病床利用率を上げ, 平均在院日数を短くし, コスト重視が命題となっている. その結果として, 入院までの待機期間が短縮されたが, 脳卒中患者では入院時に軽度の意識障害が残存していて訓練が進まず入院期間が足りなくなったり, 回復に時間のかかる脳挫傷患者では, 一カ所のリハビリテーション(以下, リハ)病院での治療期間では足りず, 複数のリハ病院での加療も必要となってきている. また, 急性期病院の入院期間も短くなっているため, 入院待機期間の長くなる重症の患者が当センターにあまり来なくなっている. 結果的に当センターの脳卒中患者については, 若くて合併症が少ない患者が集まることになる. 医師, 訓練スタッフ, MSW, 看護婦ともそろっている施設でこれでいいのか自問してしまう.
ISSN:0034-351X