Plackett-Burman試験計画法による分析法の頑健性の確認

「I. はじめに」分析を行う際に分析マニュアルには様々な条件が記載されている. 例えば図1に示すビタミンB2の分析フローでは試料を酵素処理する際の溶液のpHを4.5に調整し, 37℃で18時間反応させると記載されている. しかし, 実際に分析する際には分析者や分析日が異なるごとにこれらの条件はある範囲のなかで変動し, 最終的な測定値に影響を与えることになる. pHの些細な変動が結果に大きな影響をもたらし, 温度や反応時間の日常的な変動はほとんど影響を及ぼさないのかもしれない. 分析の精度を保つためには, どの条件をどれだけの許容範囲で調整する必要があるのかという点について分析者は確認しておく必...

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Published in生活衛生 Vol. 52; no. 5; pp. 274 - 281
Main Authors 村上太郎, 山野哲夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 大阪生活衛生協会 2008
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ISSN0582-4176

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Summary:「I. はじめに」分析を行う際に分析マニュアルには様々な条件が記載されている. 例えば図1に示すビタミンB2の分析フローでは試料を酵素処理する際の溶液のpHを4.5に調整し, 37℃で18時間反応させると記載されている. しかし, 実際に分析する際には分析者や分析日が異なるごとにこれらの条件はある範囲のなかで変動し, 最終的な測定値に影響を与えることになる. pHの些細な変動が結果に大きな影響をもたらし, 温度や反応時間の日常的な変動はほとんど影響を及ぼさないのかもしれない. 分析の精度を保つためには, どの条件をどれだけの許容範囲で調整する必要があるのかという点について分析者は確認しておく必要がある. 分析条件が変動した時に測定結果が影響を受けない性能は分析法の頑健性と定義されており, 分析法の精度管理ガイドラインにおいても分析法の頑健性を確認することが推奨されている[1-5]. 「II. 頑健性の定義:ruggednessとrobustness」頑健性は米国薬局方(USP;The United States Pharmacopeial Convention)のガイドライン[3]ではruggednessとして, 「同じサンプルが異なる条件で分析された時の分析法の再現性を示す性能」と定義されている.
ISSN:0582-4176