医療・福祉系大学におけるブリッジ教育 -医学用語の導入をめぐって
「概要」K短期大学では, 入学時のプレースメントテストを実施している. この結果から, 中学生レベルの語彙力しかない学生が経年的に存在することが明らかになっている. これらの学生は, 医学用語について, 漢字を読むことができない, 講義の内容が理解できないという問題を初年次に抱えている. 医学用語の読みが初年次の学生にとって難解であることはすでに医学用語のパイロットテストによって明らかになっている. このような状況の中で, いかにして医療・福祉系大学及び短期大学におけるブリッジ教育として医学用語の漢字導入を行うかについて検討した. その結果, まず医学用語で用いる常用外漢字があること, 次に常...
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Published in | KAWASAKI IGAKKAI SHI LIBERAL ARTS & SCIENCES no. 36; pp. 39 - 45 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
川崎医学会
2010
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0386-5398 |
Cover
Summary: | 「概要」K短期大学では, 入学時のプレースメントテストを実施している. この結果から, 中学生レベルの語彙力しかない学生が経年的に存在することが明らかになっている. これらの学生は, 医学用語について, 漢字を読むことができない, 講義の内容が理解できないという問題を初年次に抱えている. 医学用語の読みが初年次の学生にとって難解であることはすでに医学用語のパイロットテストによって明らかになっている. このような状況の中で, いかにして医療・福祉系大学及び短期大学におけるブリッジ教育として医学用語の漢字導入を行うかについて検討した. その結果, まず医学用語で用いる常用外漢字があること, 次に常用漢字のうち未習の読み方があること, さらに医学用語に特有の読み方や意味が存在することについて, 留意する必要があることが明らかになった. そのため, これらの点について導入を行うことによって, 漢字力・語彙力がない学生にも医学に関する専門領域を学ぶ上での障害が取り除かれると考える. これらの医学用語に関する漢字について, 円滑に導入するためのテキスト作成などを行うことを今後の課題とする. |
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ISSN: | 0386-5398 |