農薬取締法改正の経緯およびその内容

はじめに 農薬取締法(昭和23年法律第82号)は, 「農薬取締法の一部を改正する法律」(平成14年法律第141号)によって平成14年12月に改正された. また, 現在行われている第156回国会に更なる改正案が提出されている. これらの法律改正に至った経緯を説明し, 改正内容について解説する. 1.経緯および背景 食品の安全性に関する日本国民の関心は高まっている. その大きな要因は, 近年マスコミを賑わせた下記に示す数々の食品の安全性に関する事件にあると考えられる. (1)病原性大腸菌O-157による食中毒事件(2)口蹄疫問題(3)BSE(狂牛病)問題(4)雪印乳業の中毒事件(5)畜産品等の産地...

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Published inJournal of Pesticide Science Vol. 28; no. 3; pp. 365 - 368
Main Author 野方勝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農薬学会 2003
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ISSN1348-589X

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Summary:はじめに 農薬取締法(昭和23年法律第82号)は, 「農薬取締法の一部を改正する法律」(平成14年法律第141号)によって平成14年12月に改正された. また, 現在行われている第156回国会に更なる改正案が提出されている. これらの法律改正に至った経緯を説明し, 改正内容について解説する. 1.経緯および背景 食品の安全性に関する日本国民の関心は高まっている. その大きな要因は, 近年マスコミを賑わせた下記に示す数々の食品の安全性に関する事件にあると考えられる. (1)病原性大腸菌O-157による食中毒事件(2)口蹄疫問題(3)BSE(狂牛病)問題(4)雪印乳業の中毒事件(5)畜産品等の産地詐称事件(6)中国からの輸入農産物中残留農薬問題(7)無登録農薬の違法販売, 使用問題特に, 2001年のBSE問題では, 行政の対応の遅れや効率的に原因究明ができない体制に対して, 農林水産省への世間の批判が集中した. その後, 2002年7月31日には, 無登録農薬であるプリクトランおよびダイホルタンの違法販売業者が摘発され, これらの無登録農薬の販売, 使用が社会問題となった.
ISSN:1348-589X