医学用語教育におけるブレンディッドラーニングの2つの試み

「概要」 医学用語教育の成果をあげるためにeラーニング教材を開発し, 4年間にわたり対面授業とのブレンディッドラーニングを実施してきた. その間, 学習者傾向の分析から新しいブレンドの方略を実践する必要を感じ, 認知科学の知見を取り入れて協調学習をブレンドしたeラーニングを設計した. これを, 2007年にK大学D学科, 2008年にK短期大学N学科の授業に導入し, 対面授業とのブレンディッドラーニングと比較検討した. 評価には, これまでの実践同様, 質問紙による意識調査, 医学知識レベルを調べるための医学用語読み仮名テスト, コンピュータ操作能力を測るためのタイピングテスト, 到達度測定の...

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Published inKAWASAKI IGAKKAI SHI LIBERAL ARTS & SCIENCE COURSE no. 34; pp. 15 - 27
Main Authors 名木田恵理子, 板谷道信, 小林伸行, 田中伸代, David H.Waterbury
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 2008
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ISSN0386-5398

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Summary:「概要」 医学用語教育の成果をあげるためにeラーニング教材を開発し, 4年間にわたり対面授業とのブレンディッドラーニングを実施してきた. その間, 学習者傾向の分析から新しいブレンドの方略を実践する必要を感じ, 認知科学の知見を取り入れて協調学習をブレンドしたeラーニングを設計した. これを, 2007年にK大学D学科, 2008年にK短期大学N学科の授業に導入し, 対面授業とのブレンディッドラーニングと比較検討した. 評価には, これまでの実践同様, 質問紙による意識調査, 医学知識レベルを調べるための医学用語読み仮名テスト, コンピュータ操作能力を測るためのタイピングテスト, 到達度測定のための語彙テストを用いた. また, 協調学習については, オンラインでの授業評価およびビデオ撮影, 録音による授業記録を評価の材料とした. 両学科における実践によって, 協調学習が学習者意欲を向上させることが示されたが, N学科においては到達度が著しく低下するという結果になった. 学習者傾向のより的確な把握, 学習の足場づくり, 練習やフィードバックによって意欲を学習成果につなげるインストラクション設計など, 改善すべき多くの課題が明らかになった.
ISSN:0386-5398