コンピュータ・グラフィックス(CG)の身体モデル表示によるテニスサーブの予測判断

「緒言」 対峙型のスポーツ競技場面において, アスリートは対戦相手や周辺環境の刻々と変化する状況に対して瞬時に対応しなければならない. これを実現するために, 彼らは相手の動作パターンを基に次に生起する事象を予測する. 例えば, テニスのサーブリターンにおいて, 熟練者は正確かつ効果的なリターンを行うために, 相手サーバーによるラケットとボールのインパクト前に動作を開始することが報告されている(Farrow et al., 2005). これは, テニス熟練者が初級者に比べ, 相手の動作パターンから得られた視覚手掛かりを情報源とし, 打球の方向や速度をより正確に予測することができるからである(...

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Published inスポーツ心理学研究 Vol. 36; no. 2; pp. 115 - 125
Main Authors 福原和伸, 井田博史, 石井源信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本スポーツ心理学会 2009
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Summary:「緒言」 対峙型のスポーツ競技場面において, アスリートは対戦相手や周辺環境の刻々と変化する状況に対して瞬時に対応しなければならない. これを実現するために, 彼らは相手の動作パターンを基に次に生起する事象を予測する. 例えば, テニスのサーブリターンにおいて, 熟練者は正確かつ効果的なリターンを行うために, 相手サーバーによるラケットとボールのインパクト前に動作を開始することが報告されている(Farrow et al., 2005). これは, テニス熟練者が初級者に比べ, 相手の動作パターンから得られた視覚手掛かりを情報源とし, 打球の方向や速度をより正確に予測することができるからである(Goulet et al., 1989;Jackson and Mogan, 2007;Singer et al., 1998). 特に, インパクト直前は, 熟練者にとってサーブ方向の予測情報を利用する上で重要な時間帯であることが報告されている(Farrow and Abernethy, 2003;Jonesand Miles, 1978).
ISSN:0388-7014