医学用語教育におけるe-Learning教材改善とその評価

医学用語教育の効率化を図るために, 学内イントラネットを利用したe-Learning教材を開発し, 授業に導入した. 本研究は, 2004年までの実践について教育効果を検証し, 教材システム, 学習マニュアル, 教授法に改善を加え, 2005年引き続き授業に導入した結果について考察するものである. 2005年の授業後に行った到達度テスト, 質問紙調査, 医学用語読みテストの結果, 学習対象者が変わってもe-Learningによって同様の底上げ効果が得られること, 今回のシステム改善が学習目標達成に好影響を及ぼしたことが示された. 一方で学生の, コンピュータによる半強制的な学習を避けたいという...

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Published inKAWASAKI IGAKKAI SHI LIBERAL ARTS & SCIENCE COURSE no. 31; pp. 47 - 58
Main Authors 名木田恵理子, 板谷道信, 小林香苗, 田中伸代, David H. WATERBURY
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 2005
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ISSN0386-5398

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Summary:医学用語教育の効率化を図るために, 学内イントラネットを利用したe-Learning教材を開発し, 授業に導入した. 本研究は, 2004年までの実践について教育効果を検証し, 教材システム, 学習マニュアル, 教授法に改善を加え, 2005年引き続き授業に導入した結果について考察するものである. 2005年の授業後に行った到達度テスト, 質問紙調査, 医学用語読みテストの結果, 学習対象者が変わってもe-Learningによって同様の底上げ効果が得られること, 今回のシステム改善が学習目標達成に好影響を及ぼしたことが示された. 一方で学生の, コンピュータによる半強制的な学習を避けたいという意識も見られたが, このe-Learningシステムおよび指導自体に対する評価は高かった. 大学の授業における対面型集合教育が必ずしもうまく機能していないことは以前から問題とされていたが, 近年の学生の基礎学力と学習意欲の低下によって授業の目標達成はますます難しいものとなってきている. 特に, 積み上げ式の, 知識習得を目的とする科目においては, 到達目標に達しない学生の増加は深刻な問題である.
ISSN:0386-5398