3. Low grade gliomaによるmulticentric gliomaの一例

【はじめに】右基底核部と対側三叉神経部に非連続性に同時にoligoastrocytomaを認めた稀な症例を経験したので, 文献的考察を交えて報告する. 【症例】51歳男性. 1ヶ月前より, 左顔面V1, V2領域の感覚鈍麻, 左上下肢の感覚低下を自覚していた. また, 自発性の低下を家族から指摘されていた. 上記の症状を主訴に当院を受診. MRI(FLAIR)ではmass effectを伴った右基底核と腫大した左三叉神経が脳幹部REZからhigh intensity lesionとして認められた. 精査目的に入院した. 病変部はいずれもCT/MRで造影されず. 髄液細胞診ではClass 2であ...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 62; no. 2; pp. 237 - 238
Main Authors 山口玲, 黒崎みのり, 甲賀英明, 岡本幸一郎, 井上雅人, 大野博康, 原徹男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.05.2012
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ISSN1343-2826

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Summary:【はじめに】右基底核部と対側三叉神経部に非連続性に同時にoligoastrocytomaを認めた稀な症例を経験したので, 文献的考察を交えて報告する. 【症例】51歳男性. 1ヶ月前より, 左顔面V1, V2領域の感覚鈍麻, 左上下肢の感覚低下を自覚していた. また, 自発性の低下を家族から指摘されていた. 上記の症状を主訴に当院を受診. MRI(FLAIR)ではmass effectを伴った右基底核と腫大した左三叉神経が脳幹部REZからhigh intensity lesionとして認められた. 精査目的に入院した. 病変部はいずれもCT/MRで造影されず. 髄液細胞診ではClass 2であり, 腫瘍細胞は認めなかった. Choline-PETでmax SUV:0.8-1.2と低値ながらも集積を認めた. 脊髄MRでは腫瘍性病変を認めなかった. 5月12日右基底核部のFLAIR high intensity areaのlesionに対して定位的に生検術を施行. ligoastrocytomaの診断であった. Grade2で播種を起こすのは考えにくいため, 左三叉神経に対しても5月28日生検術施行. 基底核部と同様の病理診断であった. 後療法として両方の領域を含んだ拡大局所照射を施行した(2Gy/fr, total 50Gy). 【考察】この症例はoligoastrocytomaでありながら, 播種ではなく, 解剖学的連続性も認めない部位に同時期・多発性に病変が認められたことである. これらの点について文献的考察を加え症例を検討する.
ISSN:1343-2826