青年期前期用の身体感覚尺度および社会的体格不安尺度の作成 - 性別・学年・体格・身体活動レベルによる検討
「要旨」本研究の目的は, 心身の急激な発達を経験する青年期前期のボディイメージの構造や特徴を把握するための基礎研究として, 「青年期前期用身体感覚尺度」および「青年期前期用社会的体格不安尺度」を作成し, それらの尺度と性別・学年・体格・身体活動レベルとの関連を検討することである. 公立中学校2校および公立高等学校2校に在籍する中学1年生から高校3年生(12 - 18歳)の生徒828名を対象とし, 質問紙調査を実施した. その結果, 以下のことが明らかになった. 「青年期前期用身体感覚尺度」15項目(3因子×5項目)が新たに作成され, 「社会的体格不安尺度」については, 国内で成人用に標準化され...
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Published in | 新潟医療福祉学会誌 Vol. 19; no. 3; pp. 84 - 91 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
新潟医療福祉学会
29.11.2019
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ISSN | 1346-8774 |
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Summary: | 「要旨」本研究の目的は, 心身の急激な発達を経験する青年期前期のボディイメージの構造や特徴を把握するための基礎研究として, 「青年期前期用身体感覚尺度」および「青年期前期用社会的体格不安尺度」を作成し, それらの尺度と性別・学年・体格・身体活動レベルとの関連を検討することである. 公立中学校2校および公立高等学校2校に在籍する中学1年生から高校3年生(12 - 18歳)の生徒828名を対象とし, 質問紙調査を実施した. その結果, 以下のことが明らかになった. 「青年期前期用身体感覚尺度」15項目(3因子×5項目)が新たに作成され, 「社会的体格不安尺度」については, 国内で成人用に標準化されている7項目が青年期前期の年代にも適用されることが確認された. 性別との関連においては, 身体感覚については男女の差が無く, 社会的体格不安については男子より女子の方が高いことが明らかになった. 学年の進行に伴って, 身体感覚への敏感さは低下し, 社会的体格不安は上昇する傾向が示された. 体格との関連においては, 身体感覚は体格との関連は無く, 社会的体格不安については「肥満傾向群」が他の群と比較して高いことが示された. 身体活動レベルとの関連においては, 身体感覚および社会的体格不安のいずれも, 「高運動群」が他の群と比較して優れていることが明らかになった. |
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ISSN: | 1346-8774 |