頭痛と嘔吐を主訴に受診した急性閉塞隅角緑内障 (緑内障発作) の1例

「はじめに」急性閉塞隅角緑内障は, 治療が遅れると失明につながる眼科救急疾患の一つである. 患者は突然に発症した眼痛, 視力障害以外に頭痛, 嘔吐などの全身症状を訴えるため, しばしば脳神経疾患や消化器疾患などと誤認されやすく, 結果として治療時期を逸してしまい重篤な視機能障害をきたすことは決して珍しくない. このため眼科医以外の医師および看護師も急性閉塞隅角緑内障という病気について, 周知しておくことは重要である. 今回, 実際われわれが経過した症例をふまえ, 救急外来においての診断のポイントなどについて報告する. 「症例」64歳女性, 日曜日の夜から徐々に増悪する頭痛と嘔吐を主訴に救急外来...

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Published in順天堂醫事雑誌 Vol. 59; no. 6; pp. 513 - 515
Main Authors 佐久間俊郎, 海老原伸行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 順天堂医学会 31.12.2013
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ISSN2187-9737

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Summary:「はじめに」急性閉塞隅角緑内障は, 治療が遅れると失明につながる眼科救急疾患の一つである. 患者は突然に発症した眼痛, 視力障害以外に頭痛, 嘔吐などの全身症状を訴えるため, しばしば脳神経疾患や消化器疾患などと誤認されやすく, 結果として治療時期を逸してしまい重篤な視機能障害をきたすことは決して珍しくない. このため眼科医以外の医師および看護師も急性閉塞隅角緑内障という病気について, 周知しておくことは重要である. 今回, 実際われわれが経過した症例をふまえ, 救急外来においての診断のポイントなどについて報告する. 「症例」64歳女性, 日曜日の夜から徐々に増悪する頭痛と嘔吐を主訴に救急外来を受診. 最近頭痛を繰り返すことが多かったとのことで, 頭部CTを施行したが異常は認められなかった. 神経学的所見にも異常なく, 意識は清明で, ただ頭痛と嘔吐が辛いという強い訴えがあった.
ISSN:2187-9737