医学における数理科学的諸問題1 O-157食中毒・感染症の曝露日・平均潜伏期の推定

「概要」1996年岡山県邑久町, 新見市をはじめとし全国的に発生した腸管出血性大腸菌O-157による食中毒での曝露時点・平均潜伏期・分散因子などを著者達の提唱した新しい方法によって推定した. この新しい方法は, 従来の確率紙を用いる図式法を改良し確率紙上での最小2乗法を用いる解析的に洗練・精密化されたものである. これは種々の非心の確率分布たとえば正規分布, 対数正規分布, ワイブル分布, 指数分布などに適用できる一般的な方法である. 本研究では潜伏期間に対して対数正規分布およびワイブル分布を仮定して解析を行った. その結果, 曝露時点に対しては疫学的に求めたものと矛盾のない推定値が得られた....

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Published inKAWASAKI IGAKKAI SHI LIBERAL ARTS & SCIENCE COURSE no. 26; pp. 59 - 66
Main Authors 近藤芳朗, 格和勝利, 小池大介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 2000
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ISSN0386-5398

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Summary:「概要」1996年岡山県邑久町, 新見市をはじめとし全国的に発生した腸管出血性大腸菌O-157による食中毒での曝露時点・平均潜伏期・分散因子などを著者達の提唱した新しい方法によって推定した. この新しい方法は, 従来の確率紙を用いる図式法を改良し確率紙上での最小2乗法を用いる解析的に洗練・精密化されたものである. これは種々の非心の確率分布たとえば正規分布, 対数正規分布, ワイブル分布, 指数分布などに適用できる一般的な方法である. 本研究では潜伏期間に対して対数正規分布およびワイブル分布を仮定して解析を行った. その結果, 曝露時点に対しては疫学的に求めたものと矛盾のない推定値が得られた. 「1.はじめに」腸管出血性大腸菌O-157による食中毒患者の大量発生が1996年日本全国で発生した. まず, 岡山県邑久町(5月, 418人), 岡山県津山市(6月, 360人)をはじめとし, 岐阜県岐阜市(6月, 200人), 大阪府堺市(7月, 12680人), 石川県(7月, 76人)などで食中毒患者の大量発生があった.
ISSN:0386-5398