3. 5-ALAを使用した脳腫瘍の蛍光標識手術 一般基幹病院での使用について

【はじめに】近年5-ALAを用いた術中脳腫瘍診断は広く用いられるようになってきている. 昨年3月以来, 当院では4例のグリオーマ系腫瘍に対し術中脳腫瘍蛍光診断を行い報告する. 【方法】5-ALAは薬事未承認の研究用試薬であり, 当院の倫理委員会の承認を得て患者家族に十分な説明を行った. 5-ALA投与は1000mg(約20mg/kg)を20%ブドウ糖100ccに溶解し手術当日朝9時(執刀開始前約1時間)に内服させた. 使用機械は分光器内蔵型紫色半導体レーザー装置VLD-M1(M&M社)である. 基本的に観察および摘出はマクロで行い, 天井用ビデオカメラにフィルターを取り付け記録した....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 59; no. 2; pp. 225 - 226
Main Authors 甲賀英明, 深沢洋子, 黒崎みのり, 田村勝, 田中壮佶
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.05.2009
Online AccessGet full text
ISSN1343-2826

Cover

Loading…
More Information
Summary:【はじめに】近年5-ALAを用いた術中脳腫瘍診断は広く用いられるようになってきている. 昨年3月以来, 当院では4例のグリオーマ系腫瘍に対し術中脳腫瘍蛍光診断を行い報告する. 【方法】5-ALAは薬事未承認の研究用試薬であり, 当院の倫理委員会の承認を得て患者家族に十分な説明を行った. 5-ALA投与は1000mg(約20mg/kg)を20%ブドウ糖100ccに溶解し手術当日朝9時(執刀開始前約1時間)に内服させた. 使用機械は分光器内蔵型紫色半導体レーザー装置VLD-M1(M&M社)である. 基本的に観察および摘出はマクロで行い, 天井用ビデオカメラにフィルターを取り付け記録した. 5-ALA投与前後での胃薬の内服は禁止, また投与後24時間は直射日光にあたらないように集中治療室で遮光管理を行った. 【症例】術前にグリオーマが疑われた4症例で組織はanaplastic oligodendroglioma再発例2例, oligodendroglioma grade2であった. 手術中に蛍光を発した部分はMRIのGd増強域にほぼ一致している印象であった. 【結論】5-ALAを用いた術中蛍光診断は摘出率向上に極めて有用であり. 安全性, 有効性, 簡便性からも市中病院に普及してゆくものと思われる.
ISSN:1343-2826