高速液体クロマトグラフィーによる副腎・精巣ステロイドの分析 -△4ステロイドを中心に

高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて, 副腎・精巣ステロイド分析の予備的検討を行った. 使用したHPLCシステムはLC5A型(Shimazu)でUV detectorとcosmosil packed column 5C18を接続した. progesterone, deoxycorticosterone, corticosterone, cortisol, testosteroneの5種類のステロイドは明瞭に分離可能であり, 直線の検量線を得ることができた. しかし近似したretention timeのステロイドの分離は困難であった. 平均回収率は93.0%であり, このクロマトグラフ...

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Published in川崎医学会誌 Vol. 13; no. 3; pp. 295 - 302
Main Author 渡辺慶太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 1987
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Summary:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて, 副腎・精巣ステロイド分析の予備的検討を行った. 使用したHPLCシステムはLC5A型(Shimazu)でUV detectorとcosmosil packed column 5C18を接続した. progesterone, deoxycorticosterone, corticosterone, cortisol, testosteroneの5種類のステロイドは明瞭に分離可能であり, 直線の検量線を得ることができた. しかし近似したretention timeのステロイドの分離は困難であった. 平均回収率は93.0%であり, このクロマトグラフィーシステムの限界感度はngオーダーであった. HPLCはヒト副腎および精巣ホモジネート組織, ならびにラット副腎細胞短期間培養浮遊液より抽出したステロイドの分離・同定・定量に有用であることが示唆された. 緒言 副腎・精巣ステロイドホルモンの測定には, 従来competitive protein binding assay(CP-BA)や, radioimmunoassay(RIA)が広く行われてきたが, 測定の煩雑さや測定時間, 特異性の点で課題が残されている.1)そこで近年各種物質の迅速な分析・測定に応用されている高速液体クロマトグラフィー(以下HPLCと略す)を用い, 副腎・精巣ステロイド代謝を検討するための基礎的実験として, 副腎・精巣ステロイドの分離・同定・定量化に関し予備的検討を行ったので報告する.
ISSN:0386-5924