ミトコンドリア型HSP70, モータリンによる細胞死制御とこれを標的とした治療戦略

ミトコンドリアは細胞のエネルギー代謝, 特にATP産生に関わる重要な細胞内小器官であるが, 細胞内活性酸素種発生の源として, また, アポトーシスを含めた細胞死制御にも関わる等多くの機能が明らかとなってきた. 熱ショックタンパク質として有名なHSP70はミトコンドリアにも存在する. このミトコンドリアに局在するHSP70 (HSPA9, mtHsp70) も多機能タンパク質であり, 多様な呼称を有する. Heat-shock protein peptide-binding protein 74 (PBP74) , Glucose regulated protein 75 (GRP75) , そ...

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Published inThermal Medicine Vol. 37; no. 3; pp. 97 - 98
Main Authors 近藤隆, 大塚健三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ハイパーサーミア学会 15.09.2021
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ISSN1882-2576

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Summary:ミトコンドリアは細胞のエネルギー代謝, 特にATP産生に関わる重要な細胞内小器官であるが, 細胞内活性酸素種発生の源として, また, アポトーシスを含めた細胞死制御にも関わる等多くの機能が明らかとなってきた. 熱ショックタンパク質として有名なHSP70はミトコンドリアにも存在する. このミトコンドリアに局在するHSP70 (HSPA9, mtHsp70) も多機能タンパク質であり, 多様な呼称を有する. Heat-shock protein peptide-binding protein 74 (PBP74) , Glucose regulated protein 75 (GRP75) , そして, モータリンである. モータリンは, キナーゼであるMEKおよびERKの異常活性化に伴いしばしば発現が上昇しており, 腫瘍内で誤った局在を示すミトコンドリア分子シャペロンである.
ISSN:1882-2576