内痔核に対する5% Phenol Almond Oil (Paoscle)による硬化療法の持続効果について

内痔核に対する5% phonol almond oil(Paoscle)による硬化療法の遠隔成績を検討するために,1981年中にこの療法を施行した200例の内痔核患者にアンケート調査を行い,患者自身の総合的評価,効果持続期間,症状,対策,便通などに関する回答を求めた.回答率は低く45例22.5%であったが,このうち約半数の21例は5年7カ月~6年7カ月(平均6年2カ月)後の調査時点で尚経過よく無症状であった.効果が一時的であった他の23例の効果持続期間は1カ月~4年(平均1年6カ月)であった.このような効果の差は,日常生活上の痔核に影響を及ぼすと思われる要因との間に,ある程度の関係が有るらしい...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 41; no. 3; pp. 287 - 294
Main Authors 佐々木, 茂雄, 田井, 陽
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本大腸肛門病学会 01.05.1988
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.41.287

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Summary:内痔核に対する5% phonol almond oil(Paoscle)による硬化療法の遠隔成績を検討するために,1981年中にこの療法を施行した200例の内痔核患者にアンケート調査を行い,患者自身の総合的評価,効果持続期間,症状,対策,便通などに関する回答を求めた.回答率は低く45例22.5%であったが,このうち約半数の21例は5年7カ月~6年7カ月(平均6年2カ月)後の調査時点で尚経過よく無症状であった.効果が一時的であった他の23例の効果持続期間は1カ月~4年(平均1年6カ月)であった.このような効果の差は,日常生活上の痔核に影響を及ぼすと思われる要因との間に,ある程度の関係が有るらしいことが伺われ,内痔核の脱出の程度が進行したと推察される10例には,とくに便秘などの便通異常が略全例にみられた,また,本療法施行後14カ月,2年の2例の切除痔核の病理組織像に尚著明な効果の持続を認めた.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.41.287