繰り返す回盲部腸重積をともなった良性リンパ濾胞性ポリポーシスの1例

症例は18歳男性.14歳頃より頻回に右下腹部痛がみられたが放置していた.18歳時,大腸内視鏡検査を施行したところ回腸末端からBauhin弁にかけてポリポーシス様病変がみられ,痛みと同時に重積をおこす所見が観察された.生検ではchronic severe inflamlnation, granulation tissueがみられ,Crohn病が疑われ,入院にて低残査食とサラゾピリン内服させたところ軽快した.再度,施行した大腸内視鏡にて前回と同様の所見がみられ,生検における組織診断ではGroup1:chronic inflammatory change with lymph folliclesであ...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 50; no. 4; pp. 245 - 248
Main Authors 李, 雨元, 中尾, 健太郎, 角田, 明良, 鈴木, 和雄, 平塚, 研之, 村上, 雅彦, 草野, 満夫
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本大腸肛門病学会 01.04.1997
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.50.245

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Summary:症例は18歳男性.14歳頃より頻回に右下腹部痛がみられたが放置していた.18歳時,大腸内視鏡検査を施行したところ回腸末端からBauhin弁にかけてポリポーシス様病変がみられ,痛みと同時に重積をおこす所見が観察された.生検ではchronic severe inflamlnation, granulation tissueがみられ,Crohn病が疑われ,入院にて低残査食とサラゾピリン内服させたところ軽快した.再度,施行した大腸内視鏡にて前回と同様の所見がみられ,生検における組織診断ではGroup1:chronic inflammatory change with lymph folliclesであった.繰り返し生じる右下腹部痛および入退院を繰り返すことによるQOLの低下より手術適応と判断し,回盲部切除を施行した.病理組織学的検討ではBenign Iymphoid polyposisであった.本症における外科的治療の適応については慎重をきすべきであるが,それが極端にQOLを低下させる場合本例のように手術を考慮する必要もあると思われた.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.50.245