呼吸器および尿路由来の臨床分離株に対するgatifloxacinの抗菌力 (2004年度)
臨床分離株のgatifloxacin (GFLX) に対する感受性の経年的推移を検討する目的で, 2002年度に引き続き, 2004年11月から2005年3月までにわが国の15施設において, 喀痰・尿・副鼻腔液などから分離されたグラム陽性4菌種, グラム陰性7菌種, 計2,508株についてGFLXを含めた12薬剤に対する薬剤感受性を測定した。Streptococcus pneumoniaeに対するGFLXのMIC50, MIC90はともに0.25μg/ml, 感性率は96. 5%と他のフルオロキノロン系抗菌薬に比べて優れた抗菌活性と高い感性率が示された。一方, ペニシリン耐性はG肌Xの抗菌力と...
Saved in:
Published in | 日本化学療法学会雑誌 Vol. 53; no. 10; pp. 627 - 640 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
25.10.2005
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-7007 1884-5886 |
DOI | 10.11250/chemotherapy1995.53.627 |
Cover
Summary: | 臨床分離株のgatifloxacin (GFLX) に対する感受性の経年的推移を検討する目的で, 2002年度に引き続き, 2004年11月から2005年3月までにわが国の15施設において, 喀痰・尿・副鼻腔液などから分離されたグラム陽性4菌種, グラム陰性7菌種, 計2,508株についてGFLXを含めた12薬剤に対する薬剤感受性を測定した。Streptococcus pneumoniaeに対するGFLXのMIC50, MIC90はともに0.25μg/ml, 感性率は96. 5%と他のフルオロキノロン系抗菌薬に比べて優れた抗菌活性と高い感性率が示された。一方, ペニシリン耐性はG肌Xの抗菌力と感性率には影響をもたらさなかった。Haemophilus influenzae, Moraxella catarrhalisに対するフルオロキノロン系抗菌薬のMIC90は0.015~0.03μg/mlと非常に低い値を示した。Escherichia coliおよびEnterococcus faecalisに対するGFLXのMIC50はおのおの0.06μg/ml, 0.5μg/ml, MIC90はおのおの8μg/ml, 16μg/mlであり, フルオロキノロン系抗菌薬に対する耐性率は17. 2~33. 5%であった。本結果より, フルオロキノロン系抗菌薬は前回調査時と同様にH. influenzae, M. catarrhalisに強い抗菌活性を示していた。中でもGFLXはS. pneumoniaeのMIC90が0.25μg/mlと上市時と変わらない優れた抗菌活性を有しており, 呼吸器・耳鼻咽喉科・泌尿器科領域感染症のエンピリック治療に有用であると考えられた。なお, フルオロキノロン系抗菌薬のE. coli, E. faecalisに対する抗菌活性は2002年度とほとんど変わらなかったが, 今後も継続的な調査が必要であると思われた。 |
---|---|
ISSN: | 1340-7007 1884-5886 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1995.53.627 |