複雑系化学プロセスの非線形現象の創発的シンセシス

化学反応を伴う流れ場の移動現象について複雑系化学プロセス, システムをいかに設計・制御するか化学工学的観点から論じた.2種の反応器 (CSTRとテイラー渦流反応器TVFR) をとりあげた.混合特性の履歴的多重性を論じた後, 2種の化学反応 (ベローゾフ・ジャボチンスキ (BZ) 反応と乳化重合) をとりあげ, CSTRだけでなくTVFRにおいて生起する化学振動の複雑な分岐特性が例証された.酢酸ビニルの連続乳化重合における自励振動のメカニズムについても論じられた.化学反応を伴う場合も含めて, 移動現象の不安定性とその分岐現象をいかに制御すべきかについて, 流れ場, 反応場の履歴的多重性を考慮しな...

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Published in化学工学論文集 Vol. 25; no. 4; pp. 501 - 509
Main Author 片岡, 邦夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 化学工学会 10.07.1999
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ISSN0386-216X
1349-9203
DOI10.1252/kakoronbunshu.25.501

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Summary:化学反応を伴う流れ場の移動現象について複雑系化学プロセス, システムをいかに設計・制御するか化学工学的観点から論じた.2種の反応器 (CSTRとテイラー渦流反応器TVFR) をとりあげた.混合特性の履歴的多重性を論じた後, 2種の化学反応 (ベローゾフ・ジャボチンスキ (BZ) 反応と乳化重合) をとりあげ, CSTRだけでなくTVFRにおいて生起する化学振動の複雑な分岐特性が例証された.酢酸ビニルの連続乳化重合における自励振動のメカニズムについても論じられた.化学反応を伴う場合も含めて, 移動現象の不安定性とその分岐現象をいかに制御すべきかについて, 流れ場, 反応場の履歴的多重性を考慮しながら再考する必要があること, その目的が複雑な化学プロセス, システムの設計概念に創発的シンセシスの方法論を導入することであると強張された。
ISSN:0386-216X
1349-9203
DOI:10.1252/kakoronbunshu.25.501