ICUにおける家族援助の検討
〈緒言〉当院ICU においてCNS-FACE を標準的なツー ルとして用いることで,スタッフの家族援助に対する認識 と関わりの変化を明らかにし,今後の家族援助の手がかり を得たいと考えた。 〈方法〉 1.対象者:当院ICU 看護師28名 2.研究期間:平成20年10月8日~21年1月23日 3.データの収集方法と手順 CNS-FACE について説明会を行い,実際に使用しても らったあと,アンケートを配布し,看護師の認識の変化を 調べた。 〈結果〉アンケートの回収率は100%であった。 1)CNS-FACE を用い客観的アセスメントを行い,家族 との関わりに変化があったかについて,看護師経験年数...
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Published in | Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 58; p. 97 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
2009
一般社団法人 日本農村医学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-1749 1880-1730 |
DOI | 10.14879/nnigss.58.0.97.0 |
Cover
Summary: | 〈緒言〉当院ICU においてCNS-FACE を標準的なツー
ルとして用いることで,スタッフの家族援助に対する認識
と関わりの変化を明らかにし,今後の家族援助の手がかり
を得たいと考えた。
〈方法〉
1.対象者:当院ICU 看護師28名
2.研究期間:平成20年10月8日~21年1月23日
3.データの収集方法と手順
CNS-FACE について説明会を行い,実際に使用しても
らったあと,アンケートを配布し,看護師の認識の変化を
調べた。
〈結果〉アンケートの回収率は100%であった。
1)CNS-FACE を用い客観的アセスメントを行い,家族
との関わりに変化があったかについて,看護師経験年数
別に分け,集計した。1~3年目では変化があった
(100%)。4~6年目では変化があった(64%)なかっ
た(27%)無記入(9%)。7年目以上では変化があっ
た(50%)なかった(44%)無記入(6%)。
2)当院ICU において必要時に家族援助にCNS-FACE
を用いて家族のニード,コーピングを評価することは有
用であるかについて,はい(64.2%),いいえ
(14.2%),どちらでも(7.1%),未記入(14.2%)で
あった。
〈考察〉結果1)より,家族との関わりの変化の内容とし
て,「面会時以外の患者の様子を伝えるようになった」「長
く会話することで関係を築くことができた」という意見が
聞かれた。病棟勉強会でニード・コーピングの重要性を講
義したことにより,家族のニード,コーピングを把握して
家族援助を行う認識と行動が高まったと考えられる。
結果2)の意見として,「CNS-FACE をツールとして
用いることでスタッフが同じ視点で家族看護を提供でき
る」「ニード,コーピングが分かりカンファレンス開催時
に家族援助についてひとつの指標にできる」という意見を
得ることができた。この結果から,家族のニード・コーピ
ングを把握するために,CNS-FACE を一つのツールとし
て家族援助に活かしていけると考える。
CNS-FACE をツールとして用いることで経験年数に限
らず標準的な情報としての家族の思いを得ることができ
た。 |
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ISSN: | 1880-1749 1880-1730 |
DOI: | 10.14879/nnigss.58.0.97.0 |