深呼吸の妥当回数検討のための一考察

【はじめに】 腹式呼吸の指導時、SpO2の状態(変化)で一時的にSpO2は上昇するものの、最初の数値よりも下降するパターンを度々経験した。そこで今回深呼吸の指導に疑問を感じ、予備研究を踏まえ、検討したので報告する。【対象と方法】1)対象:当院実習中の女子看護学生5名。2)計測方法:予備研究として深呼吸5回を踏まえ、4回と3回と設定した。深呼吸は呼吸に合せ、鼻から吸気、口から呼気としSpO2の時間的変化パターンを見た。【結果と考察】 5名は3型に分類できた。5回で認めた頂点で見る正弦様三角正波形型と同一であったものは2名。4回のみ同一で、3回で上方凸の逆V型となったのが2名。4回も3回も上方凸の...

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Published in九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 Vol. 2002; p. 124
Main Authors 濱田 輝一, 村上 朋美, 橋本 孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州理学療法士・作業療法士合同学会 2003
Joint Congress of Physical Therapist and Occupational Therapist in Kyushu
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ISSN0915-2032
2423-8899
DOI10.11496/kyushuptot.2002.0.124.0

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Summary:【はじめに】 腹式呼吸の指導時、SpO2の状態(変化)で一時的にSpO2は上昇するものの、最初の数値よりも下降するパターンを度々経験した。そこで今回深呼吸の指導に疑問を感じ、予備研究を踏まえ、検討したので報告する。【対象と方法】1)対象:当院実習中の女子看護学生5名。2)計測方法:予備研究として深呼吸5回を踏まえ、4回と3回と設定した。深呼吸は呼吸に合せ、鼻から吸気、口から呼気としSpO2の時間的変化パターンを見た。【結果と考察】 5名は3型に分類できた。5回で認めた頂点で見る正弦様三角正波形型と同一であったものは2名。4回のみ同一で、3回で上方凸の逆V型となったのが2名。4回も3回も上方凸の逆V型で下降ななくなったものは1名となった。つまり5名中3名で回数が減ったことでSpO2、が上昇したが、依然2名は上昇維持がなく、むしろ上昇後下降してしまうことがわかった。また時間的変化としては、依然変化をきたさない2例の特に回復時間平均値で見ると、4回も3回も同一で、回復まで2分強となった。以上のことから、4回より3回が上昇する傾向を伺わせたが依然変わりない者も存在することから、3回が妥当という結論には早計と判断する。例数を増しかつ多面的な検討の必要性などまだ課題も多いことから今後もさらに継続検討を重ねたい。
ISSN:0915-2032
2423-8899
DOI:10.11496/kyushuptot.2002.0.124.0