菌体とタンパク質混合液の精密濾過
高分子精密濾過膜を用いて, 菌体とタンパク質を含むモデル懸濁液のクロスフロー濾過を行った.タンパク質溶液は主に牛血清アルブミン (BSA) を使用し, モデル菌体粒子には, パン酵母・大腸菌・PMMA粒子の3種類を用いた.各操作条件やケーク層抵抗の影響, およびポンプの断続運転の効果などについて検討した. その結果, これらのモデル液では, 何れも時間経過とともにBSAが阻止されるようになった.得られた定常流束は, それを最大とする最適な圧力が存在した.また, この定常流束は原液濃度にほとんど影響されなかった。膜面に形成された菌体によるケーク層は, 大きな透過抵抗を持ち, 圧密化し易く, 大腸...
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Published in | 化学工学論文集 Vol. 18; no. 5; pp. 677 - 683 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 化学工学会
10.09.1992
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ISSN | 0386-216X 1349-9203 |
DOI | 10.1252/kakoronbunshu.18.677 |
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Summary: | 高分子精密濾過膜を用いて, 菌体とタンパク質を含むモデル懸濁液のクロスフロー濾過を行った.タンパク質溶液は主に牛血清アルブミン (BSA) を使用し, モデル菌体粒子には, パン酵母・大腸菌・PMMA粒子の3種類を用いた.各操作条件やケーク層抵抗の影響, およびポンプの断続運転の効果などについて検討した. その結果, これらのモデル液では, 何れも時間経過とともにBSAが阻止されるようになった.得られた定常流束は, それを最大とする最適な圧力が存在した.また, この定常流束は原液濃度にほとんど影響されなかった。膜面に形成された菌体によるケーク層は, 大きな透過抵抗を持ち, 圧密化し易く, 大腸菌モデル液の場合に最も大きな比抵抗を示した.一解決策として, ポンプの断続運転法が, 膜透過性を向上させるのに大変有効的なことも明らかとなった. |
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ISSN: | 0386-216X 1349-9203 |
DOI: | 10.1252/kakoronbunshu.18.677 |