当院人間ドックにおける発見胃癌の検討

〈緒言・経緯〉一般的に胃がん検診は生存率,癌発見率, 陽性率等の結果にて総合的に評価されるが,胃X 線検査 による効果(癌を確実に描出,診断できたか)を評価する 基準がないのが現状であった。しかし近年,吉田らが胃X 線所見分類及び画像精度評価の観点から,良質なX 線画 像であるほど胃がんが確実に診断され,的確な追加撮影は 診断をさらに容易にすると報告した。その後,中原らが同 様な手法を用いて新・胃X 線撮影法を評価するなど,胃 X 線所見分類及び画像精度評価は全国的に広まりつつある と考える。 〈目的〉当院人間ドックにて発見された胃がんに対して, 胃X 線所見分類及び画像精度評価をおこない,今...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 58; p. 366
Main Authors 和田 智文, 山田 泰司, 北口 一也, 長谷川 聡洋, 津元 崇弘, 久保田 和郎, 櫻庭 光夫, 萩原 武, 金澤 睦, 今村 哲理
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE 2009
一般社団法人 日本農村医学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.58.0.366.0

Cover

More Information
Summary:〈緒言・経緯〉一般的に胃がん検診は生存率,癌発見率, 陽性率等の結果にて総合的に評価されるが,胃X 線検査 による効果(癌を確実に描出,診断できたか)を評価する 基準がないのが現状であった。しかし近年,吉田らが胃X 線所見分類及び画像精度評価の観点から,良質なX 線画 像であるほど胃がんが確実に診断され,的確な追加撮影は 診断をさらに容易にすると報告した。その後,中原らが同 様な手法を用いて新・胃X 線撮影法を評価するなど,胃 X 線所見分類及び画像精度評価は全国的に広まりつつある と考える。 〈目的〉当院人間ドックにて発見された胃がんに対して, 胃X 線所見分類及び画像精度評価をおこない,今後の胃 X 線検査の精度向上を目的に有用性や問題点を明らかにす る。 〈対象〉平成18年から20年度までに当院の人間ドックを受 診したなかで,比較検討が可能な胃がん38例(男性31例: 女性7例,平均年齢64.1歳)。 〈方法及び結果〉吉田らの手法を基本に胃X 線所見分類 はいわゆる胃癌取扱い規約の生検組織診断分類に則って5 段階で評価した。画像精度評価は,運動・幾何学的ブレ, 撮影条件,胃液・胃型による粘膜描出障害,撮影体位,空 気量をそれぞれ3段階で評価した。 評価は,検査に従事する診療放射線技師5名と診断を担 当する消化器科医師1名が内視鏡,病理,精密胃X 線画 像等の情報を参考におこなった。 以上の結果を当日報告する。
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.58.0.366.0