当院におけるリウマチサポートチームの活動報告

【はじめに】当院のリウマチサポートチームは、医師、薬剤師、栄養士、理学療法士、作業療法士、医療ソーシャルワーカーで構成され、関節リウマチ患者さまのより良い生活を目的とした支援活動を行っている。主な活動には、リウマチ教育入院、リウマチ教室がある。今回、リウマチ教室における理学療法士の役割を紹介するとともに、リウマチ教室の参加者を対象に満足度調査を実施したので報告する。 【リウマチ教室の概要】当院が主催するリウマチ教室は、A.医師の講演、B.コメディカルスタッフの講演、C.リウマチ体操、D.各専門職による相談会で構成され、年2回、約90分の内容を無料で開催している。会場には自助具展示と身体機能測定...

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Published in関東甲信越ブロック理学療法士学会 Vol. 28; p. 77
Main Authors 山本 喜美夫, 山本 喜文, 土屋 瑠見子, 西潟 央
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会 2009
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ISSN0916-9946
2187-123X
DOI10.14901/ptkanbloc.28.0.77.0

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Summary:【はじめに】当院のリウマチサポートチームは、医師、薬剤師、栄養士、理学療法士、作業療法士、医療ソーシャルワーカーで構成され、関節リウマチ患者さまのより良い生活を目的とした支援活動を行っている。主な活動には、リウマチ教育入院、リウマチ教室がある。今回、リウマチ教室における理学療法士の役割を紹介するとともに、リウマチ教室の参加者を対象に満足度調査を実施したので報告する。 【リウマチ教室の概要】当院が主催するリウマチ教室は、A.医師の講演、B.コメディカルスタッフの講演、C.リウマチ体操、D.各専門職による相談会で構成され、年2回、約90分の内容を無料で開催している。会場には自助具展示と身体機能測定のブースを設置。参加者には講演資料、過去の相談会内容を配布している。 【理学療法士の役割】1.疾患活動性と身体機能に基づいた運動療法の講義、2.ウォーミングアップを目的とした5分間のリウマチ体操指導、3. Functional Reach、Timed “Up and Go” 、立ち上がりテスト、2ステップテストを用いた身体機能測定と個別フィードバック、4. 運動療法、物理療法、装具療法に関する相談がリウマチ教室での主な役割である。 【満足度調査】理学療法士の講演を含むリウマチ教室の参加者21名を対象にアンケートによる満足度調査を実施。評価基準は、「大変満足」、「満足」、「どちらでもない」、「不満足」、「大変不満足」の5段階とし、理学療法士の講演、リウマチ体操、相談会の満足度を調査、リウマチ教室全体の意見は自由記載にて調査した。アンケート回収率は100%であった。 【結果】理学療法士の講演は、大変満足18名、満足3名。リウマチ体操は、大変満足18名、満足3名。相談会は、大変満足13名、満足3名、どちらでもない1名、未記入4名であった。リウマチ教室全体の意見として、「たくさんのスタッフの方がいて不安を和らげることができた」、「講演、実演、相談会などがあり充実した内容で大変よかった」などがあった。 【考察】満足度調査の結果から、各専門職のフィードバックが得られるリウマチ教室の運営方法に肯定的な意見が多く、各専門職による助言が、現状の確認、不安の解消に繋がっていると考えられた。特に、関節負荷への過剰な不安から運動をしていない参加者が多かったが、理学療法士による講演、リウマチ体操、身体機能測定の反応は好評であり、関節負荷を考慮した運動療法に対する関心の高さを伺えた。 【まとめ】理学療法士が疾患活動性、身体機能、関節負荷を考慮した運動療法について助言を行うことで、関節リウマチ患者さまのより良い生活を支援できると考える。
ISSN:0916-9946
2187-123X
DOI:10.14901/ptkanbloc.28.0.77.0