膝関節位置覚に対するキネシオテープの効果の検討

【目的】筋疲労に伴う位置覚低下に対するキネシオテープ(Kinesio Tape, KT)の効果を,伸張率を変えて検討することである。【方法】対象を健常大学生29名53脚とし,KTを貼付する高伸張群と低伸張群,KTを貼付しないコントロール群に無作為に振り分けた上で疲労課題の前後で膝関節の位置覚測定を行った。測定方法は,開始肢位を端座位とし,膝関節を設定した角度まで他動伸展させた後,自動伸展により再現させ,誤差を求めた。疲労課題はBIODEXを使用し,120deg/sec,膝屈曲90~15°の範囲で等速性膝伸展運動を50回行わせた。統計はKTを貼付しないコントロール群,低伸張群,高伸張群で 30°...

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Published in東北理学療法学 Vol. 29; pp. 106 - 111
Main Authors 川口 陽亮, 尾田 敦, 石川 大瑛, 鹿内 和也, 吉田 深咲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Tohoku Section of Japanese Physical Therapy Association 2017
公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
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ISSN0915-2180
2189-5686
DOI10.15049/artsjpta.29.0_106

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Summary:【目的】筋疲労に伴う位置覚低下に対するキネシオテープ(Kinesio Tape, KT)の効果を,伸張率を変えて検討することである。【方法】対象を健常大学生29名53脚とし,KTを貼付する高伸張群と低伸張群,KTを貼付しないコントロール群に無作為に振り分けた上で疲労課題の前後で膝関節の位置覚測定を行った。測定方法は,開始肢位を端座位とし,膝関節を設定した角度まで他動伸展させた後,自動伸展により再現させ,誤差を求めた。疲労課題はBIODEXを使用し,120deg/sec,膝屈曲90~15°の範囲で等速性膝伸展運動を50回行わせた。統計はKTを貼付しないコントロール群,低伸張群,高伸張群で 30°・60°についての疲労前と疲労後の再現角度誤差を,Tukey-Kramer法にて比較した。【結果】膝屈曲 60°では全群で疲労後の再現角度誤差が有意に大きくなった(p<0.05)。各群間では再現角度誤差に有意差は認められなかった。【結論】位置覚が筋疲労により低下することが示唆された。また,本研究ではKT貼付の有無や,KTの伸張率の違いによる位置覚への影響は貼付直後でも運動後でも認められなかった。
ISSN:0915-2180
2189-5686
DOI:10.15049/artsjpta.29.0_106