病院広報活動の充実を目指して

〈緒言〉地域における病院の役割が明確化されるなど、医療提供体制は変化しているが、これには医療提供を受ける立場の患者やその家族の理解・協力が重要となり、病院における広報活動を積極的に展開していくことは欠くこのできないものとなってきている。このためその活動をより効果的に展開するため、まずは患者の病院選びにおける考え方やニーズの把握を行うことが必要と考え、新患アンケートを実施したためここに報告する。 〈方法〉以下の通りアンケートを実施。 対象者:新患受付をした患者 期間:平成17.18年度の各3ヶ月間 方法:新患受付をした際に、アンケートを 配布し新患登録時における待ち時間を利用し回答。 内容:基本...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 56; p. 149
Main Authors 織田 ちずる, 濱田 國義, 池田 真紀, 山田 浩昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE 2007
一般社団法人 日本農村医学会
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.56.0.149.0

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Summary:〈緒言〉地域における病院の役割が明確化されるなど、医療提供体制は変化しているが、これには医療提供を受ける立場の患者やその家族の理解・協力が重要となり、病院における広報活動を積極的に展開していくことは欠くこのできないものとなってきている。このためその活動をより効果的に展開するため、まずは患者の病院選びにおける考え方やニーズの把握を行うことが必要と考え、新患アンケートを実施したためここに報告する。 〈方法〉以下の通りアンケートを実施。 対象者:新患受付をした患者 期間:平成17.18年度の各3ヶ月間 方法:新患受付をした際に、アンケートを 配布し新患登録時における待ち時間を利用し回答。 内容:基本情報(年代・市町村・受診科) Q1 当院を選んだ理由(選択式) Q2 かかりつけ医はありますか Q3 地域連携システムをご存知ですか    Q4 ・当院のホームページ(以下HP) をご覧頂いたことはありますか ・HPの内容は十分でしたか 〈結果・考察〉回答者数は17年度2,363名、18年度2,478名 Q1については「家族・知人の勧め」が各年とも圧倒的な理由となっており、患者やその家族にいかにアピールをしていくかが重要である。続いて「病院の機能・規模」「交通の便」となった。また近年広まってきている「セカンドオピニオン」には新患だけで1ヶ月約27名である。再来患者を含めると全体としてのニーズは高まっている。セカンドオピニオンと回答した方においてのHPへのアクセス率は約26%であり、現在当院ではセカンドオピニオン外来設置を検討しているが、HPでの広報が欠かせないものであると考える。Q2かかりつけ医をもたない方が約60%。「病気には殆ど罹ったことがない」ことが理由としてあげられた。Q3地域連携システムを知っている・聞いたことがある方は合わせて約40%。年代別に見ると認知度に差はあまりないが、30、40代においては、認知度が高いのに比べかかりつけ医がいる割合が少ない傾向であった。Q4 HPを見たことがある割合は17年度17.5%、18年度19.3%となり、アクセス率が高まっており、内容の満足度も10%アップし18年度は83%であった。これは掲載情報を充実させ、日々更新を図っていることも一因と考える。不十分と回答した10%の方の理由においては、診療科紹介に対する要望が多く、引き続き医師の協力の下充実を図っていく必要がある。 〈まとめ〉今回新患を対象にアンケートを実施することにより、地域からの(患者として受診する前の段階)病院に対する、評価・認識を調査することができた。新患においては20.30代で約半数を占め、その特徴としは地域連携を知っているがかかりつけ医がなく、病院を規模で選択し、HPへのアクセス率が高いことであった。これに対してはHPでの広報が有効な手段であり、これらの傾向を踏まえて、今後のコンテンツの充実を図る必要があることが明らかになった。 これまで広報活動として病院案内の作成、院外広報誌の発行、HPの開設、各種パンフレットの作成等の取組みを行ってきたが、労力とコストをかけて作られたにも関わらず、有効的な活用に至っていなかった。広報活動の効果については すぐにその効果を実感することは難しいが、今後も引き続きアンケートを実施し病院・患者双方のニーズを把握しながら積極的な広報活動を展開していきたい。
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.56.0.149.0