当院における総合臨床実習体制の紹介

【はじめに】  当院では、2004年度より体験学習を重視した総合臨床実習体制の構築を目的にクリニカル・クラークシップを導入した。今回、総合臨床実習を終えた実習生を対象にクリニカル・クラークシップに関する調査を実施したので報告する。 【クリニカル・クラークシップの紹介】  当院のクリニカル・クラークシップは、総合臨床実習開始から3週間行う。内容は、1)総合病院、回復期病院、外来クリニック、老人保健施設等の時期別視点での施設見学、2)作業療法、言語聴覚療法等の他職種見学、3)整形疾患、中枢疾患、内部疾患等の疾患別リハビリテーション診療の体験を行う。 【調査内容】  2005年度に総合臨床実習を終え...

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Published in関東甲信越ブロック理学療法士学会 Vol. 26; p. 90
Main Authors 山本 喜美夫, 高橋 洋介, 室井 大佑, 渡辺 典子, 渡辺 京子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会 2007
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ISSN0916-9946
2187-123X
DOI10.14901/ptkanbloc.26.0.90.0

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Summary:【はじめに】  当院では、2004年度より体験学習を重視した総合臨床実習体制の構築を目的にクリニカル・クラークシップを導入した。今回、総合臨床実習を終えた実習生を対象にクリニカル・クラークシップに関する調査を実施したので報告する。 【クリニカル・クラークシップの紹介】  当院のクリニカル・クラークシップは、総合臨床実習開始から3週間行う。内容は、1)総合病院、回復期病院、外来クリニック、老人保健施設等の時期別視点での施設見学、2)作業療法、言語聴覚療法等の他職種見学、3)整形疾患、中枢疾患、内部疾患等の疾患別リハビリテーション診療の体験を行う。 【調査内容】  2005年度に総合臨床実習を終えた実習生39名を対象に、クリニカル・クラークシップの必要性、開始時期、期間、満足度、クリニカル・クラークシップによる影響の5項目について調査を実施した。必要性、開始時期、期間、満足度に関しては選択式の回答とした。クリニカル・クラークシップによる影響については自由記載としキーワードを抽出した。 【結果】  実習生39名のうち有効回答数は36名であり、全員がクリニカル・クラークシップは「必要」と回答、開始時期は「症例担当前」を希望した。期間に関しては、3週間が「丁度良い」31名、「長い」3名、「未記入」2名であった。満足度に関しては、「大変満足」27名、「満足」9名であった。クリニカル・クラークシップによる影響に関しては、「急性期から維持期にわたる時期別視点の理解」29名、「各職種の専門性理解」21名、「チームアプローチの理解」12名、「患者様の全体像の把握」8名、「患者様対応の理解」7名、「興味分野の発見」7名、等の回答があった。 【考察】  調査の結果、当院におけるクリニカル・クラークシップの導入は、急性期から維持期にわたる時期別視点の理解、各職種の専門性理解、チームアプローチの理解等の回答が得られ、リハビリテーション医療の流れを把握する学習効果が期待できる。また、患者様対応の理解、興味分野の発見等の回答から症例担当前の準備としても有効と考える。 【まとめ】  当院におけるクリニカル・クラークシップの導入は、実習生の満足度の視点で好評であった。また、リハビリテーション医療の流れの把握や症例担当前の準備としての効果が期待できる。
ISSN:0916-9946
2187-123X
DOI:10.14901/ptkanbloc.26.0.90.0