開眼状態におけるたし算・音楽刺激が及ぼす生理的反応

本研究目的は,開眼状態におけるたし算および音楽刺激の生理的反応に関して検討することである。方法は,健康な女子学生14名(平均年齢19~23歳)を対象に,精神負荷活動としてたし算,リラックスした休息として音楽刺激を行った。実験中の生理的反応は,脳波(後頭部O1,O2),心電図を連続的に測定し,たし算中と音楽刺激中のα・β・δ・θ波の出現率,心拍数の比較分析を行った。 その結果,α・β・δ・θ波,心拍数の平均値の比較において,たし算中と音楽刺激中に有意差(P<0.05)がみられた.β波および心拍数は,全例たし算中は増加し,音楽刺激中は減少した。しかし,α・δ・θ波は,全例に同じ増減傾向がみられなか...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 28; no. 1; pp. 1_115 - 1_120
Main Authors 北川 かほる, 岡崎 美智子, 古賀 美紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Japan Society of Nursing Research 2005
一般社団法人 日本看護研究学会
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:本研究目的は,開眼状態におけるたし算および音楽刺激の生理的反応に関して検討することである。方法は,健康な女子学生14名(平均年齢19~23歳)を対象に,精神負荷活動としてたし算,リラックスした休息として音楽刺激を行った。実験中の生理的反応は,脳波(後頭部O1,O2),心電図を連続的に測定し,たし算中と音楽刺激中のα・β・δ・θ波の出現率,心拍数の比較分析を行った。 その結果,α・β・δ・θ波,心拍数の平均値の比較において,たし算中と音楽刺激中に有意差(P<0.05)がみられた.β波および心拍数は,全例たし算中は増加し,音楽刺激中は減少した。しかし,α・δ・θ波は,全例に同じ増減傾向がみられなかった。 これらの結果から,開眼状態における精神負荷活動とリラクセーションした休息中の生理的反応は,β波の出現率および心拍数の変化から評価できることが示唆された。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20041108010