透析治療法選択入院導入の効果

【はじめに】  腎不全に陥った患者は、透析治療法の選択を余儀なくされる。患者自身が納得して自分に合った治療法を選択できるように、血液透析(HD)と腹膜透析(PD)の治療法選択入院による3日間のクリティカルパス(3日パス)を導入している。選択入院が適当であったか、納得して選択しているかなど3日パスの効果を知るためにアンケート調査を行った。その結果、ICの重要性と今後の課題が明らかになったので報告する。 期間:平成18年7月~平成19年4月 対象:透析治療法選択入院患者18名 方法:アンケート調査を実施し、透析治療法選択入院(3日パス)の効果を知る 【結果】 アンケート回収率は100%であった。3...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 56; p. 12
Main Authors 青木 篤子, 飯田 友紀, 板倉 紀子, 菊地 幸代, 前田 益孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE 2007
一般社団法人 日本農村医学会
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.56.0.12.0

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Summary:【はじめに】  腎不全に陥った患者は、透析治療法の選択を余儀なくされる。患者自身が納得して自分に合った治療法を選択できるように、血液透析(HD)と腹膜透析(PD)の治療法選択入院による3日間のクリティカルパス(3日パス)を導入している。選択入院が適当であったか、納得して選択しているかなど3日パスの効果を知るためにアンケート調査を行った。その結果、ICの重要性と今後の課題が明らかになったので報告する。 期間:平成18年7月~平成19年4月 対象:透析治療法選択入院患者18名 方法:アンケート調査を実施し、透析治療法選択入院(3日パス)の効果を知る 【結果】 アンケート回収率は100%であった。3日間の入院期間は適当であったかでは、はい13名、いいえ0名、無回答5名であった。選択後そのまま導入になった9名においても、3日パスで選択できた。また、納得して選択できたかでは、選択できた13名、迷いはあるが選択できた5名、選択できない人は0名だった。今回の選択入院を体験してよかったかでは、良かったが10名、まあまあ良かった5名、無回答3名、悪かった人は0名だった。 【考察】  選択入院3日パスを導入し透析治療法の知識を深め、生活スタイルを十分考慮して治療法を選択できたことはよかった。また、半数の患者は選択入院の時期が遅く選択後そのまま導入となったケースもあったが、3日間で自分の治療法を納得して選択できたことは良かった。このことから3日パスは効果があったといえる。また、入院期間に関しては、全患者が3日間で選択できていることや長期入院できない患者もいることから適切であった。しかし、選択したが迷いがある患者では、決定的な選択理由がないために決めかねていることが分かった。治療法選択は将来のQOLに大きく影響するため、退院後のフォローも不可欠であると考えられる。医師や看護師による情報提供、治療中の患者の生の声を聞くことや見学をすることは、治療法を自己決定するために重要な情報源である。3日間という短い期間ではあるが、わかりやすく充分な説明の提供が、ICの視点からも大変重要であると考える。 【まとめ】  透析治療法選択入院3日パスを導入した全患者が治療法を選択できたことは効果があった。治療法を自己決定するうえで、インフォームドコンセントは重要である。スタッフが患者に統一した指導ができるように、さらに学習会などで知識を深める必要がある。
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.56.0.12.0