健常者及び高血圧患者の食塩味覚閾値について (第1報)
大都市における日本人成人男性の食塩味覚感度を, 食塩味覚閾値判定濾紙を用いて検査し, 年齢による塩味覚の実態を把握し, 健常者 (N群391人) と高血圧患者 (HT群138人) の違いについて検討した。 1) 味覚の知覚閾値は, N群に対して50~54歳でHT群が有意に高かった。 2) N群, HT群とも45歳以上で味覚が鈍く, 特にHT群ではその傾向が顕著であった。 3) N群, HT群とも高血圧の家族歴及び, 12~17歳時に居住していた地域の年齢層による差は認められなかった。また, 食塩摂取制限を行っている者は, N群では少なく, HT群では若年層より中高年齢層のほうが少ない傾向にあっ...
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Published in | 栄養学雑誌 Vol. 48; no. 3; pp. 121 - 126 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
01.06.1990
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Subjects | |
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ISSN | 0021-5147 1883-7921 |
DOI | 10.5264/eiyogakuzashi.48.121 |
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Summary: | 大都市における日本人成人男性の食塩味覚感度を, 食塩味覚閾値判定濾紙を用いて検査し, 年齢による塩味覚の実態を把握し, 健常者 (N群391人) と高血圧患者 (HT群138人) の違いについて検討した。 1) 味覚の知覚閾値は, N群に対して50~54歳でHT群が有意に高かった。 2) N群, HT群とも45歳以上で味覚が鈍く, 特にHT群ではその傾向が顕著であった。 3) N群, HT群とも高血圧の家族歴及び, 12~17歳時に居住していた地域の年齢層による差は認められなかった。また, 食塩摂取制限を行っている者は, N群では少なく, HT群では若年層より中高年齢層のほうが少ない傾向にあった。 以上のことより, 現在45歳以上の中高年齢者には, 塩味覚を把握して, 減塩指導を行う必要性が示唆された。 |
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ISSN: | 0021-5147 1883-7921 |
DOI: | 10.5264/eiyogakuzashi.48.121 |