皮膚科領域感染症に対するレボフロキサシン (クラビット®錠) の有用性の検討

各種皮膚感染症に対する, クラビット®錠 (一般名: levofloxacin, LVFX) の臨床的有用性を検討した。その方法は, 平成6年度の日本化学療法学会において, 皮膚科領域臨床効果判定基準検討委員会 (荒田次郎委員長) から報告された判定基準を採用した。対象は123名の各種皮膚感染症患者 (感染性粉瘤, など) で, クラビット®錠を200-600mg/day, 4-7日間投与した。結果は著効158例 (47.9%), 有効;44例 (36.4%), やや有効;16例 (13.2%), 無効;3例 (2.5%) であり, 有効以上の有効率は84.4%という優れた成績であった。副作用...

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Published in皮膚 Vol. 39; no. 5; pp. 530 - 542
Main Authors 中川, 浩一, 小林, 裕美, 深井, 和吉, 幸野, 健, 水野, 信之, 平居, 彰子, 寺前, 佳洋子, 寺嶋, 亨, 林, 顕秀, 武林, 亮子, 石井, 正光, 新藤, 季佐, 本城, 貴子, 鈴木, 伸典, 國行, 秀一, 福田, 道夫, 安部, 佳子, 下峠, 雅史
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本皮膚科学会大阪地方会 31.10.1997
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Summary:各種皮膚感染症に対する, クラビット®錠 (一般名: levofloxacin, LVFX) の臨床的有用性を検討した。その方法は, 平成6年度の日本化学療法学会において, 皮膚科領域臨床効果判定基準検討委員会 (荒田次郎委員長) から報告された判定基準を採用した。対象は123名の各種皮膚感染症患者 (感染性粉瘤, など) で, クラビット®錠を200-600mg/day, 4-7日間投与した。結果は著効158例 (47.9%), 有効;44例 (36.4%), やや有効;16例 (13.2%), 無効;3例 (2.5%) であり, 有効以上の有効率は84.4%という優れた成績であった。副作用は1例において一過性の嘔気が発現したのみで, 安全性も確認された。また, 同時に病巣からの細菌学的検査によって39株のStaphylococcus aureusが分離されたが, これらの菌に対するLVFXのMIC90は0.39μg/mlという成績であった。同時に行った他の薬剤では, CPFX;0.78μg/ml, SPFX;0.2μg/mlであり, in vitroでも強い抗菌力が示された。以上の成績から, クラビット®錠は皮膚科領域感染症に対して有用かつ安全であると結論した。
ISSN:0018-1390
1884-541X
DOI:10.11340/skinresearch1959.39.530