PCBの毒性と栄養 (第1報) PCBの毒性とビタミンA
PCBの毒性と栄養条件との相互関係を明らかにし, PCBの毒性発現を最小にする栄養条件を見出すことを目的として, まずPCBの毒性に対するV. Aの影響を検討した結果, 正常飼料中に含まれる量の約10倍量のV. A添加で, PCB投与によって起る成長抑制をかなり防止することを見出したが, 毒性発現のその他の徴候である肝臓肥大, 血清脂質の上昇に対しては抑制的というよりはむしろ促進的な傾向を有し, 腎重量の減少に対しては抑制的に働いているような結果が得られた。 肝臓の組織学的検査の結果はPCB投与群において個々の細胞に肥大がみられ, かっ周辺帯と思われる部分に大きな脂肪滴の出現をみた。PCB+V...
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Published in | 栄養学雑誌 Vol. 32; no. 2; pp. 58 - 66 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
01.03.1974
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ISSN | 0021-5147 1883-7921 |
DOI | 10.5264/eiyogakuzashi.32.58 |
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Summary: | PCBの毒性と栄養条件との相互関係を明らかにし, PCBの毒性発現を最小にする栄養条件を見出すことを目的として, まずPCBの毒性に対するV. Aの影響を検討した結果, 正常飼料中に含まれる量の約10倍量のV. A添加で, PCB投与によって起る成長抑制をかなり防止することを見出したが, 毒性発現のその他の徴候である肝臓肥大, 血清脂質の上昇に対しては抑制的というよりはむしろ促進的な傾向を有し, 腎重量の減少に対しては抑制的に働いているような結果が得られた。 肝臓の組織学的検査の結果はPCB投与群において個々の細胞に肥大がみられ, かっ周辺帯と思われる部分に大きな脂肪滴の出現をみた。PCB+V. A添加群においては脂肪滴がPCB投与群よりやや増加している傾向がみられたが, 細胞の肥大の程度はPCB投与群よりやや軽いようであった。 なお, PCBを0.1%含む飼料にメチオニンを0.5%添加したが, PCBによる成長抑制や肝臓肥大, 血清および肝臓脂質の上昇を防止する効果はみられなかった。 |
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ISSN: | 0021-5147 1883-7921 |
DOI: | 10.5264/eiyogakuzashi.32.58 |