腸性肢端皮膚炎様皮疹を呈した極小未熟児の1例

低出生体重児用調整乳哺乳中の生後14週の男児 (出生体重1,440g) の陰股部と耳介部にびらん, 口囲と頸部に落屑性紅斑および後頭部に脂漏性皮膚炎様落屑性紅斑を認めた。頭髪は疎で後頭部仮性脱毛は認めるが, 病的脱毛や下痢の既往はない。血清亜鉛値は24μg/dl (成人正常値70-140μg/dl) と著しい低値を示した。硫酸亜鉛30mg/日内服が奏効しおよそ1カ月で治癒, 内服中止後2カ月現在皮疹の再発を認めない。極小未熟児に亜鉛含有量の少ない調整乳哺乳のため生じた後天性亜鉛欠乏症と考えた。...

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Published in皮膚 Vol. 26; no. 3; pp. 551 - 559
Main Authors 東田, 敏明, 河村, 甚郎, 朝田, 康夫, 東野, 文男
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本皮膚科学会大阪地方会 01.06.1984
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Summary:低出生体重児用調整乳哺乳中の生後14週の男児 (出生体重1,440g) の陰股部と耳介部にびらん, 口囲と頸部に落屑性紅斑および後頭部に脂漏性皮膚炎様落屑性紅斑を認めた。頭髪は疎で後頭部仮性脱毛は認めるが, 病的脱毛や下痢の既往はない。血清亜鉛値は24μg/dl (成人正常値70-140μg/dl) と著しい低値を示した。硫酸亜鉛30mg/日内服が奏効しおよそ1カ月で治癒, 内服中止後2カ月現在皮疹の再発を認めない。極小未熟児に亜鉛含有量の少ない調整乳哺乳のため生じた後天性亜鉛欠乏症と考えた。
ISSN:0018-1390
1884-541X
DOI:10.11340/skinresearch1959.26.551