急速に対麻痺が進行した黄色靭帯骨化を伴う胸椎カリエスの一例

我々は, 急速に対麻痺が進行した胸椎黄色靭帯骨化を伴う脊椎カリエスを経験した. 症例は71歳の女性, 発熱と強い背部痛で発症し, 12日目にはほぼ完全麻痺となったため緊急手術を行った. 椎弓切除と病巣郭清及び前方固定術を行った. 術後2ヵ月で座位開始, 5ヵ月で独歩可能なまでに回復した. 一般的にカリエスによる対麻痺は経過が緩慢で不全麻痺例が多いが, 本症例では, 陳旧性カリエスによる高度の亀背変形と黄色靭帯骨化を伴っていたために対麻痺が高度でしかも急速に進行したものと思われた....

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 42; no. 4; pp. 1514 - 1518
Main Authors 鳥越, 雄喜, 吉田, 伍一, 小西, 宏昭, 朝長, 匡
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.1993
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.42.1514

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Summary:我々は, 急速に対麻痺が進行した胸椎黄色靭帯骨化を伴う脊椎カリエスを経験した. 症例は71歳の女性, 発熱と強い背部痛で発症し, 12日目にはほぼ完全麻痺となったため緊急手術を行った. 椎弓切除と病巣郭清及び前方固定術を行った. 術後2ヵ月で座位開始, 5ヵ月で独歩可能なまでに回復した. 一般的にカリエスによる対麻痺は経過が緩慢で不全麻痺例が多いが, 本症例では, 陳旧性カリエスによる高度の亀背変形と黄色靭帯骨化を伴っていたために対麻痺が高度でしかも急速に進行したものと思われた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.42.1514