複雑性尿路感染症を対象としたcefcapene pivoxilとlevofloxacinの臨床成績の比較 「UTI薬効評価基準 (第4版暫定案)」による判定
カテーテル非留置の複雑性尿路感染症に対する経口セフェム系抗生物質cefcapene pivoxil (CFPNPI) の有用性を客観的に検証する目的で, キノロン系抗菌薬levofloxaein (LVFX) を対照薬とした封筒法による比較試験を行った。両薬剤とも1回100mgを1日3回, 7日間投与した後, 「UTI薬効評価基準 (第4版暫定案)」に従って臨床効果を判定した。両群の背景因子に有意差を認めなかった。早期判定 (投薬終了直後) における総合臨床効果 (有効率) はCFPN-PI投与群32例で84.4%, LVFX投与群36例で86.1%であった。後期判定 (投薬終了1週間後) の...
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Published in | 日本化学療法学会雑誌 Vol. 52; no. 6; pp. 318 - 329 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
25.06.2004
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ISSN | 1340-7007 1884-5886 |
DOI | 10.11250/chemotherapy1995.52.318 |
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Summary: | カテーテル非留置の複雑性尿路感染症に対する経口セフェム系抗生物質cefcapene pivoxil (CFPNPI) の有用性を客観的に検証する目的で, キノロン系抗菌薬levofloxaein (LVFX) を対照薬とした封筒法による比較試験を行った。両薬剤とも1回100mgを1日3回, 7日間投与した後, 「UTI薬効評価基準 (第4版暫定案)」に従って臨床効果を判定した。両群の背景因子に有意差を認めなかった。早期判定 (投薬終了直後) における総合臨床効果 (有効率) はCFPN-PI投与群32例で84.4%, LVFX投与群36例で86.1%であった。後期判定 (投薬終了1週間後) のMicrobiological outcomeは, CFPN-PI投与群27例でeradicationが66.7%, failureが33.3%, LVFX投与群29例でeradicationが81.5%, failureが24.1%であった。治癒判定 (投薬終了1カ月後) のMicrobiological outcomeにおいては, CFPN-PI投与群13例でeradicationが76.4%, failureが23.1%, LVFX投与群12例でeradicationが58.3%, failureが41.7%であった。いずれの判定においても両群間に有意差は認められなかった。副作用はCFPN-PI投与群で77例中1例 (1.3%), LVFX投与群で75例中3例 (4.0%) に認められたが, 両群間で発現率に有意差は認められなかった。これらの成績から, 治癒判定をエンドポイントとする 「UTI薬効評価基準 (第4版暫定案)」を用いた検討において, カテーテル非留置で適応菌種による複雑性尿路感染症を対象とした試験で, CFPN-PIはLVFXと同等の成績を示し, その有用性が検証された。 |
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ISSN: | 1340-7007 1884-5886 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1995.52.318 |