4年5か月間に3度の異時性転移(肺・甲状腺・副腎)をきたし切除した大腸癌の1例

4年5月間に3度の異時性転移再発 (肺・甲状腺・副腎) を切除した大腸癌の1例を経験したので報告する. 症例は初回手術時47歳の女性. 平成6年2月にS状結腸切除術, D3リンパ節郭清を行った. 腫瘍は2型, 中分化型腺癌, ss, ly1, v0, n0, stage IIで組織学的根治度Aであった. 3年5月後の胸部X線検査で右肺の腫瘤像を指摘され, 平成9年9月に右上葉切除術を施行した. さらに頸部腫瘤が発見され濾胞腺腫の疑いで平成9年10月に甲状腺左葉切除術を行った. そして経過観察中, 血中CEAが43.2ng/mlと上昇, 腹部CTで右副腎腫瘤を認め, 平成10年7月に右副腎摘出術...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 34; no. 11; pp. 1670 - 1674
Main Authors 白井, 量久, 青野, 景也, 新實, 紀二, 横井, 俊平, 神谷, 里明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.11.2001
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Summary:4年5月間に3度の異時性転移再発 (肺・甲状腺・副腎) を切除した大腸癌の1例を経験したので報告する. 症例は初回手術時47歳の女性. 平成6年2月にS状結腸切除術, D3リンパ節郭清を行った. 腫瘍は2型, 中分化型腺癌, ss, ly1, v0, n0, stage IIで組織学的根治度Aであった. 3年5月後の胸部X線検査で右肺の腫瘤像を指摘され, 平成9年9月に右上葉切除術を施行した. さらに頸部腫瘤が発見され濾胞腺腫の疑いで平成9年10月に甲状腺左葉切除術を行った. そして経過観察中, 血中CEAが43.2ng/mlと上昇, 腹部CTで右副腎腫瘤を認め, 平成10年7月に右副腎摘出術を施行した. 肺・甲状腺・副腎のいずれも, 組織学的にS状結腸癌の転移と診断された. 副腎摘出後2年8月経過したが無再発生存中である.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.34.1670