メシル酸イマチニブが奏功した胃原発gastrointestinal stromal tumorの術後再発症例
症例は77歳の女性. 平成13年5月中旬より心窩部不快感出現. 近医にて上部消化管内視鏡検査施行, 胃噴門部粘膜下腫瘍を指摘された. 7月11日胃間葉系腫瘍の診断にて胃全摘, 脾摘術施行. 病理組織所見では, 紡錘形腫瘍細胞が束状に増殖し, 細胞分裂像が高頻度にみられた.免疫組織化学的検索にてc-kit, CD34陽性, アクチン, S-100陰性であり胃悪性gastrointestinal stromal tumor (GIST) の診断となる. 平成14年6月初めより嘔気出現し, 精査加療目的にて当科紹介入院. CTにて多発性肝転移, 肝外腫瘤を認めた. GIST再発と診断し, 6月25日...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 36; no. 10; pp. 1390 - 1395 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.10.2003
一般社団法人日本消化器外科学会 The Japanese Society of Gastroenterological Surgery |
Subjects | |
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ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.36.1390 |
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Summary: | 症例は77歳の女性. 平成13年5月中旬より心窩部不快感出現. 近医にて上部消化管内視鏡検査施行, 胃噴門部粘膜下腫瘍を指摘された. 7月11日胃間葉系腫瘍の診断にて胃全摘, 脾摘術施行. 病理組織所見では, 紡錘形腫瘍細胞が束状に増殖し, 細胞分裂像が高頻度にみられた.免疫組織化学的検索にてc-kit, CD34陽性, アクチン, S-100陰性であり胃悪性gastrointestinal stromal tumor (GIST) の診断となる. 平成14年6月初めより嘔気出現し, 精査加療目的にて当科紹介入院. CTにて多発性肝転移, 肝外腫瘤を認めた. GIST再発と診断し, 6月25日よりメシル酸イマチニブ400mg/日連日投与開始. 嘔気出現し, 7月12日よりメシル酸イマチニブ200mg/日に減量. CTにて腫瘍の著明な縮小と嚢胞様変化を認めた. メシル酸イマチニブは, 重篤な副作用を認めずGIST再発に著効した. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.36.1390 |