開胸式体外循環を併用し,低体温下に脳底動脈瘤のクリッピングが行なわれた2症例

脳底動脈領域の巨大な動脈瘤の手術では,手術野の確保,瘤・ネックの形状把握が困難なことが多い.われわれは,開胸式の体外循環を併用し,低体温下でクリッピングを行なった46歳の2症例を経験した.術中脳保護として,体外循環による低体温のほかに,バルビツレートの投与が行なわれた.術中は,内頸静脈上球部の脳静脈血酸素飽和度(SjO2)をモニタリングした.完全体外循環下,収縮期血圧30~50mmHg,低体温(直腸温26.5°C, 28.8°C)で,脳動脈瘤にクリップが掛けられた.この方法は,大がかりな手術であるため,術前からの脳神経外科医,胸部外科医,臨床工学技師および手術部との連携が必要である....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 16; no. 10; pp. 716 - 721
Main Authors 下村, 啓, 三宅, 聰行, 新井, 豊久, 高橋, 聡
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.12.1996
Subjects
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.16.716

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Summary:脳底動脈領域の巨大な動脈瘤の手術では,手術野の確保,瘤・ネックの形状把握が困難なことが多い.われわれは,開胸式の体外循環を併用し,低体温下でクリッピングを行なった46歳の2症例を経験した.術中脳保護として,体外循環による低体温のほかに,バルビツレートの投与が行なわれた.術中は,内頸静脈上球部の脳静脈血酸素飽和度(SjO2)をモニタリングした.完全体外循環下,収縮期血圧30~50mmHg,低体温(直腸温26.5°C, 28.8°C)で,脳動脈瘤にクリップが掛けられた.この方法は,大がかりな手術であるため,術前からの脳神経外科医,胸部外科医,臨床工学技師および手術部との連携が必要である.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.16.716