皮膚末梢神経系の腫瘍 (I) 神経鞘腫の鍍銀像 (その1)

遺伝性の濃厚な神経鞘腫型のレックリングハウゼン病の25才女性例の組織学的に典型的な神経鞘腫を, 鈴木氏鍍銀法にて検索した。Schwann細胞質である導形質 (Leitplasmodium) の検出に成功した。内部構造は植物性神経の神経形質索 (vegetative Endformations) に類似していた。 腫瘍細胞質内に, 線維様構造の析出を観察した。その線維様構造の一部に, 知覚神経の神経原線維を伴わない, 神経形質性突起をみた。大部分は植物性神経形質索を思わす構造を示した。本腫瘍の膠原線維様にみえる部分は, 全部導形質 (Leitplagmodium) そのものであった。腫瘍構成細胞...

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Published in皮膚 Vol. 16; no. 1; pp. 64 - 72
Main Authors 奥村, 雄司, 右近, 幸一, 中嶋, 照夫
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本皮膚科学会大阪地方会 01.02.1974
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Summary:遺伝性の濃厚な神経鞘腫型のレックリングハウゼン病の25才女性例の組織学的に典型的な神経鞘腫を, 鈴木氏鍍銀法にて検索した。Schwann細胞質である導形質 (Leitplasmodium) の検出に成功した。内部構造は植物性神経の神経形質索 (vegetative Endformations) に類似していた。 腫瘍細胞質内に, 線維様構造の析出を観察した。その線維様構造の一部に, 知覚神経の神経原線維を伴わない, 神経形質性突起をみた。大部分は植物性神経形質索を思わす構造を示した。本腫瘍の膠原線維様にみえる部分は, 全部導形質 (Leitplagmodium) そのものであった。腫瘍構成細胞は植物性神経系のSchwann細胞と同系列の細胞で, 腫瘍よりも異常肥大の様相が強く, 導形質の見本となり得る。
ISSN:0018-1390
1884-541X
DOI:10.11340/skinresearch1959.16.64