爪白癬の病理組織学的観察及び培養成績
大津赤十字病院皮膚科を受診し, 菌要素を確認した爪白癬患者について病爪中の菌要素の存在部位を病理組織学的に検査するとともに真菌培養成績について病爪の採取方法及び培地の種類について検討した。病爪内の菌要素は7割が爪甲下層2/3に観察された。病爪の採取方法及び培地の検討では, リストンの爪切鉗子で採取し細切後5-FC添加白癬菌分離培地で培養した場合, 菌陽性率は80%と最も高く, 細切せずマイコセル寒天培地で培養した場合42.4%であった。一方, 病爪をグラインダーで削り取った検体での菌陽性率は5-FC添加白癬菌分離培地で32%, マイコセル寒天培地で8.8%と低下した。従って病爪はリストンの爪切...
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Published in | 皮膚 Vol. 42; no. 1; pp. 31 - 34 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
日本皮膚科学会大阪地方会
01.02.2000
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Subjects | |
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ISSN | 0018-1390 1884-541X |
DOI | 10.11340/skinresearch1959.42.31 |
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Summary: | 大津赤十字病院皮膚科を受診し, 菌要素を確認した爪白癬患者について病爪中の菌要素の存在部位を病理組織学的に検査するとともに真菌培養成績について病爪の採取方法及び培地の種類について検討した。病爪内の菌要素は7割が爪甲下層2/3に観察された。病爪の採取方法及び培地の検討では, リストンの爪切鉗子で採取し細切後5-FC添加白癬菌分離培地で培養した場合, 菌陽性率は80%と最も高く, 細切せずマイコセル寒天培地で培養した場合42.4%であった。一方, 病爪をグラインダーで削り取った検体での菌陽性率は5-FC添加白癬菌分離培地で32%, マイコセル寒天培地で8.8%と低下した。従って病爪はリストンの爪切鉗子で採取し細切後, 5-FC添加白癬菌分離培地での検査法が最も適切であると考えられた。 |
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ISSN: | 0018-1390 1884-541X |
DOI: | 10.11340/skinresearch1959.42.31 |